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*でっかいなー! ページ2

「でっかいなー!」
江戸の歌舞伎町に足を踏み入れた直後。
私は思わずそう叫んだ。

建物が大きい。人も多い。故郷(地元)とは大違いだ。外国に来たのかと錯覚しそうなくらい。

……さっき叫んだあたりから周りから変な目で見られているが、気にしない。気にしない。


私はAA。田舎から出てきたばかりの大人の女性……と思いたいが、年齢的に言うとまだまだ小娘くらいである。

あと、ついついなまった言葉が飛び出てくるかもしれないが、そこはご了承願いたい。

父から剣を学び、母からはその他の色々なことを教えてもらってきた二十一歳。
えっへんと胸を張りたいが、ずっと歩いてきたため、腹が空いて死にかけている。

「ちょー腹減った……」
お天道様はちょうど真上に来ている。結構歩いたし、腹が空くのは必然的だろう。どこかに食べ物を売っている場所を探さなければ。
腹を押さえてきょろきょろと辺りを見まわすと、すぐそばに定食屋なるものがのれんをたなびかせていた。

「奇跡!!」
私はさっきの苦痛も忘れてそののれんをくぐった。




「へえー、あんた泉州から来たのかい」
定食屋のおっさん、もとい、おじさんと仲良くなるのに時間はかからなかった。

「おうよ。泉州の中でも特に田舎のとこからね」
さっき頼んだ唐揚げ定食を、もっさもっさとほおばりながら続ける。
「まあ、そこから逃げ出してきたようなもんだけどな」

「そりゃまたどうしてだい? 泉州の海なら海の幸がたっぷり獲れるだろう?」
身を乗り出して聞いてくるおじさんは好奇心旺盛なんだろうな。

「んー、魚は食べすぎて飽きたし、生活が退屈だったんだ。ひょろひょろだからって漁船にも乗せてもらえないし。ほんとつまんないよな」
とおどけてみせると、おじさんは、「ハッハッハ」と笑った。

「それにな、私には夢があってさ」

「お?」

「やっぱ気になる?」

「そりゃ気になるさー」
おじさんの目が輝いた。

私はひとつ咳払いをする。
「真選組に入ることだよ!」

「何だって! そおりゃ大層な夢だなあ」
おじさんは非常にびっくりしている。
当然か。

「大変だろうが頑張れよ!」

「おう! ごちそうさま!」

「あいよ。また来てくれよ!」

代金を払うと、外に出て大きく伸びをした。

「あともうちょっとで着くぞー! 頑張れ私!」

歩道をのんびりめに歩いていると、後ろから甲高い叫び声が聞こえた。

「ひったくりよー!!」

思わず振り返った。

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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白桃餅子 - 名無しさん» 申し訳ありません。すぐに直します。ご指摘ありがとうございました! (2018年9月15日 18時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 名前ダブって表示されてるぞ (2018年8月30日 21時) (レス) id: 77a76fa0b1 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - 林檎はいつまでも……さん» 良きかな(笑)ありがとう! (2018年5月4日 12時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
林檎はいつまでも…… - 良きかな。 (2018年5月3日 17時) (レス) id: 0403755de3 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - 林檎はいつまでも……さん» 面白い?? そう言ってもらえると嬉しいです!! これからも頑張らせていただきます!! (2018年4月7日 14時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白桃餅子 | 作成日時:2018年1月9日 16時

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