【歌い手】百年前の桜の木【まふまふ】

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「桜...好きですか？」









「え？」









彼は急にそんなことを聞いてきた。






もう一度桜を見上げてみる。









「好きですよ」









遠くから見たらピンクなのに、







近くで見たら白っぽい。









そう疑問に思った幼少期の頃から、








私は桜が好きだ。









「春しか咲かないですけどね...」









彼は寂しそうにそういう。









「でも、だからいいんじゃないですか？









この時期しか見れないから、一生懸命目に焼き付ける。






もし年中桜が咲いていたら、









当たり前の風景として皆通り過ぎていきますから」









気が付けば、そんなことを口走っていた。

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