屋上の亡霊くん (ページ1)

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未知との遭遇ページ1

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屋上の鍵は、昼休みにこっそり盗み出した。

5時限目の開始を告げるチャイムを聞きながら屋上へと繋がる階段を登る。今まで授業をサボったことがない私の、ちょっとした反抗期のようなものだ。

足取りは重い。指からぶら下げている鍵の微かな金属音さえ、精神をささくれ立たせてしまう。

普段立ち入りが禁止されている屋上への階段は埃が被っていて、足を伸ばすたびに埃が舞った。

屋上に繋がる扉から差す陽光に照らされて、まるで星空のような──。所詮は埃の粒だけれど、たしかにそう見えた。

感覚では100段くらい登った気でいるけど、実際は20段にも満たない段数。

遠くから聞こえてくる古典らしき音読の声。

正しくありたかった。サボることなんてなく、居眠りをしたっていいから授業に出られたらよかった。

そう考えながらドアノブを捻った屋上の扉は、想像以上に重苦しく耳障りな音を立てる。脳の裏に居残りそうなほどの不快感。

春の暖かな陽光と体を包み込むような風とがいっぺんに吹き込んだ──。

「…だれ？」

青空の元に、白い影が浮かんでいる。まるで、空から落ちてきた天使のような子だった。