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大野さんに半ば強制的に連れていかれた翔の背中は小さくてなんだかとても悲しそうだった
一人ポツンと取り残されて
その場から動けないでいる
なんで...
なんであんなことしたの...？
手を見ると赤くなっていて
さっきまでのことを物語っている
冷たすぎる目で見られて、
抑えられた力はすごく強くて、
強引で、
明らかにいつもの翔じゃなかった...
そのことにどうしても頭がついていかない。
怖かった...
けど、
知りたい。
なんであんなことしようとしたのか。
それに冷たかったけど悲しそうな目
何か嫌なことがあったのかもしれない。
私の過去も翔は受け止めてくれたんだから
私だってなにか悩みがあるなら相談にのりたい。
役に立ちたい。
そんな思いでまだ震えてる足を前に出して
大野さんのお店に向かった
青と白を基調としたおしゃれなお店
ドアを開けるとカランッって鳴る音
さっき来た時となんにも変わらない
違うのは私の気持ちだけ。
あ「ふぅ...」
深呼吸して店に入る
智「あれ？Aちゃん！？」
あ「あの...翔は...？」
智「さっきAちゃん達が座ってた席にいるよ」
あ「そうですか...」
翔のところに行きたいのに
なかなか一歩が踏み出せない
なんで...
なんで動けないの...
智「Aちゃん。
今日はもう帰ってくれないかな？」
あ「えっ...」
智「会わない方がいい。
今、会ってもお互い傷つくだけだと思う」
大野さんは私のことを思ってそう言ってくれてるんでしょ？
あ「あの、私なら大丈夫です！
翔と話してちゃんと聞きたいんです！」
智「うん。
気持ちはわかるけど後日にしてくれないかな？」
あ「なんでダメなんですか...？」
智「おいら、別に意地悪したいわけじゃないんだよ？
Aちゃん、さっきあんな翔ちゃん見てどう思ったの？
怖かったんじゃない？」
あ「それは...」
智「今会うのはお互い良くないんだよ
翔ちゃんのことも考えてやって？」
あ「...わかりました
ごめんなさい...押しかけちゃって」
智「ううん。来てくれておいら安心したよ
またお店来てね笑」
フワッと笑ってお店の外に送り出された
店の奥に行こうとすると動けなかった。
大野さんの言う通り今は会わない方が良かったのかもしれない...
ごめん...翔...
私、話聞いてあげることも出来なかった...
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作者名：#Y | 作成日時：2018年1月17日 0時
