短編集『恋日記。』【Ｎ】 (ページ7)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:90,872 hit

-07- ページ7

彼の丁寧な説明のおかげで、

あんなに解けなかった問題が全部解けた。

「終わった！」

問題を解いてる途中で、

二宮くんは公式だけ問題集の端っこに書いて、

トイレに行ってくると、図書室を出て行った。

「‥遅いなぁ。」

トイレ行ったにしては遅くないか？

‥もしかして、ものすごくお腹が痛かったとか…？

え、まさか、トイレに行ってる途中で、

痛みに耐えれなくて倒れてるってことないよね？

そんなことをｸﾞﾙｸﾞﾙ考えていたら何だか心配になってきて、

椅子から思いっきり立ち上がると。

「何やってんの。」

「二宮くん…。」

立ち上がったのと同じタイミングで、

ｶﾞﾗﾘと音を立てて図書室のドアが開いた。

勿論そこに居たのは二宮くんで、

なぜだか彼の手の中には、ジュースとコーヒーが１本ずつある。

「あれ…、トイレ行ったんじゃなかったの？」

「行って、その後にコレ買ってきた。」

「あ、そう、なんだ…。」

へにゃへにゃとそのまま椅子に座ると、
彼が笑ながら「なに、どうしたの？」と、そう聞いてきた。

・