短編集『恋日記。』【Ｎ】 (ページ20)

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そんな姿を見てるともっと虐めたくなるのは、

きっと男なら分かる気持ちで。

「降参？」

「……。」

笑いながらそう聞くと、首を一生懸命縦に振る。

そんな行動が、一々面白いくらいに可愛い。

「“二宮くん”って呼ぶ度、罰ゲームね。」

「え？！」

でも、俺はそんなに素直じゃないから。

「ほら、さっきみたいに呼んでみ？」

「ちょ、二宮く、」

「はい、罰ゲームー。」

「ちょっ！ち、違う！今のは、」

「言い訳は聞きません。」

“可愛い”なんて言わないけど。

「い、意地悪。」

「そんな俺が大好きなのは、どこの誰でしたっけ？」

「……。」

「…(笑)」

頬を膨らませて拗ねる姿が可笑しくて、

笑いが零れるのを抑えられない。

「‥まぁ、そんなあなたが俺は好きなんですけどね。」

「えっ…？」

きっとAが思ってる以上に、俺はあなたに溺れてるよ。

「‥照れてる。」

「うっせぇ、バーカ。」

「だって、耳あか、んっ」

これ以上赤くなってる顔を見られるのが嫌で、

何か言いたげな彼女の唇をまた塞いだ。

・

【図書室のキミ～Call my name～】Fin.