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そもそも、どうして急に合コンらしい飲み会に行くことなったのか。
少人数の講義のグループワークで雑談していた時に、たまたまそういった会話になって、サークルも部活も所属していない私は大人数の飲み会に行ったことがない、彼氏は作ってみたいかも、と言うと流れで誘われたのがきっかけだった。
付き合う付き合わないは置いておいて、いつも聡くんや勝利とばっかりいるから、たまには違う異性と話してみてもいいんじゃないか。と提案してくれたのは、他校の知り合いがたくさんいる女の子だった。そのまま流れでグループラインに招待され、お誘いが来た。なんでも女子の人数が足りていないからなるべく来てほしいのだとか。
正直あまり乗り気ではないけれど、外を見る機会を作ろうと決心したばかりだ。宣言するように朝から中島先輩に話して、大学の最寄りでも勝利に話した。相変わらず朝からキラキラしている勝利は、「大丈夫なの？」と顔を顰めた。
「何が」
「え、だって人見知りじゃん、A。俺とも最初酷かったよね」
「あれは勝利も悪いんじゃん！ 怖かったもん」
「はあ？」
今でこそ２人きりでも何も気にせず話せるけれど、１年生４月の勝利と私は酷かった。人見知りかつ男の子と話すのなんて慣れていない私と、その美貌ゆえに散々女子生徒に追いかけられて警戒心MAXだった勝利。聡くんを通じて知り合ったものの、私も２人とお近づきになるのが目当てなんじゃないかと野良猫並みに警戒されて、なんとも塩対応だったのだ。
「大丈夫だよ、２時間なら頑張るもん」
「ふーん。まぁ、外に目を向けるっていうのは良いことだしね」
勝利が興味なさげに呟いた。塩対応なのは３年経っても続いたままである。
・
勝利には「頑張る」なんて啖呵を切ったものの、知らない人だらけの飲み会はとても居心地が悪かった。
最初のファジーネーブル以降はソフトドリンクばかり飲んでいる。ちまちまと料理をつまみながら周りの話に愛想笑いを浮かべていると、「つまんなそうだね」と声がかかった。
いつの間に隣に座ったのか、茶髪の男の子がふふ、と笑っている。
「さっきからオレンジジュースばっか。呑まないの？」
す、とドリンクメニューを手渡される。あまりお酒も強くないし、知らない人ばかりの場で酔いたくないのだけど、かといって飲まないのも勿体無い。
「ゆずはちみつチューハイで」
「へー、カワイーチョイスだね」
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作者名：ハル | 作成日時：2024年1月11日 16時
