Deepな恋！Part3 (ページ28)

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恋はもっとDeepに3 ページ28

SIDE：you

今日は私の最後の撮影の日。

『恋はもっとDeepに』は主に海音がいない間のことが描かれるため、みんなより一足早くクランクアップになる。

のんちゃんが運転する車で今までの撮影を思い返していると、のんちゃんに笑われた。

『なに？(笑)』

安藤「いや、なんかそんな顔見るの久しぶりだなぁって思って？(笑)」

『今回は本当に環境に恵まれてたなぁって。』

安藤「綾野さんも側で支えてくれてたしね？(笑)」

『ちょっ... 恥ずかしいからやめてよ。(笑)』

安藤「はいはい。(笑) 今日、恋ぷにチームには報告するんでしょ？」

『...うん。ちょっと緊張する。(笑)』

公表するのはドラマ放送が終わってからだけど、今日の撮影が終わったらスタッフさんと、共演者のみんなには私のクランクアップに合わせての報告という形になった。

『まぁ、でもまずはちゃんと海音を生きないと。(笑)』

安藤「そうだね。」

そんな話をしていると撮影現場の海に着いた。

ひとまず車を降りてスタッフさんたちに挨拶してまわっていると、倫太郎の海の家の前にある、木製のイスに座ってる剛さんが目に入る。

『すいませーん、焼き芋ください。(笑)』

綾野「わっ、Aちゃん。(笑)」

『ふふっ、剛さんおはよう。(笑)』

綾野「おはよー。(笑)」

海の家のオーナーらしいゆるっとした服も似合う剛さん。

『剛さん、そんな感じの服も似合うね。』

綾野「ほんと？これ、めっちゃ楽なんだよね。(笑) Aちゃんはこれから衣装に着替えるの？」

『うん。今、のんちゃんがスタッフさんのところに取りに行ってくれてる。』

綾野「楽しみだなぁ～。」

『期待しないで。(笑)』

すると剛さんがすっと近くに来る。

綾野「大丈夫？緊張してる？」

会ってから少ししか経ってないのに、ちょっと変化に気付く剛さんはすごいと思う。(笑)

『ちょっとね。(笑)』

綾野「ほんと～？(笑) わっ、手も冷たいじゃん～。」

私の手を握った時に冷たさに驚いた剛さんが手を摩って温めてくれる。

『大丈夫だよ。(笑) 私、いつもクランクアップの日ってすごく緊張するんだよね。(笑)』

綾野「あ、でもそれわかるわ。(笑)」

剛さんとしばらく話をしているとのんちゃんに声をかけられる。

『じゃあ着替えてくるね。』

綾野「うん、いってらっしゃい。」

撮影の終わりがだんだんと迫っていることに寂しさを感じつつも、精一杯海音を生きようと思いながらのんちゃんのところに向かった。