恋はもっとDeepに ページ26
SIDE:綾野
徳尾「本番いきまーす! 5、4、3、2...」
[ビデオレターのシーン]
---
Mr.エニシに倫太郎との話を聞かれ、答えていく海音。
海音『でも、徐々に体がもたなくなってきて、日を追うごとにどんどん痛くて... 辛くて... 研究室のみんなにも、倫太郎さんにも本当に迷惑かけてしまって、どうにか早くここを去らなきゃって思ったんです。』
海音の言葉に涙を流しながら首を横に振る倫太郎。
海音『でも、それも上手くいかなくて... 倫太郎さんはどんな時でも強くて、優しくて、私を守ってくれました。 ...私も倫太郎さんが大好きですっ。 もう、一緒にいられないけど... たくさん笑っててほしいです。 夢を叶えてほしい。 ずっとずっと幸せでいてほしいです。 ありがとう... 倫太郎さん。』
涙を流しながら語る海音。
倫太郎「ありがとう... 海音。」
動画が終わっても涙を流す倫太郎。
---
徳尾「...カット!」
カットがかかり、自分が思ったよりも泣いていたことに気づく。
小田「剛さん、どうぞ。」
綾野「ありがと。」
晴翔からティッシュと水をもらい、水を飲みながらモニターを確認する。
徳尾「綾野君、完全に倫太郎に入り込んでるね〜。 すごくいいよ。」
綾野「ありがとうございます。(笑) まさかこんなビデオレターだとは思ってなくて。(笑)」
台本には"海音からのビデオメッセージ"としか書いてなくて、鴨居研究室のみんなも俺も内容は知らなかった。
鴨居研究室のみんなも自然と涙が溢れていた。
徳尾「ビデオレターの内容はね、俺たちもほぼノータッチなんだよね。(笑) Aちゃんが考えたいって言ってくれて、過去の台本とかに付箋たくさん貼りながら内容考えてくれたんだよ。」
綾野「そうなんですね。」
これだけの長さのビデオレターを考えるのにはそれなりに時間がかかったはず... 他の仕事もこなしながらも妥協しない姿にAちゃんへの好きという気持ちがより強くなった。
370人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハムちゃん | 作成日時:2021年6月3日 6時