第5話3 ページ30
徳尾「本番いきまーす! 5、4、3、2...」
[倫太郎が家に来るシーン]
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倫太郎「お邪魔しまーす。」
氷水の入ったタライを隠す海音。
倫太郎「鴨居さんは?」
海音『あの、ま、まだです。 どうぞ...。』
倫太郎「あ、じゃあ...」
部屋に入る時、何かを見つける倫太郎。
海音『...どうかしました?』
倫太郎「これ...」
海音『指輪ですか?』
倫太郎「誰の?」
海音『それは... 拾ったんです。』
倫太郎「どこで? 教えて、どこで拾ったの?」
海音『...海です、星ヶ浜の。』
倫太郎「はぁ...」
様子のおかしい倫太郎を心配そうに見る海音。
指輪を大切そうに手に取り、内側に刻印された文字を見る倫太郎。
倫太郎「...これ、母の指輪だ。」
海音『...えっ。』
倫太郎「なんで? なんで君が?」
海音『あっ... 綺麗だったから... ずっと、大切にしなくちゃって... なぜか思ったんです。』
涙を流しながらその場に座り込む倫太郎。
倫太郎「こんなことあるんだな...」
海音『いや... 倫太郎さんの大切な物だったなんて...』
倫太郎「母が、いつもしてて... 星ヶ浜の海で亡くなって... 俺のせいで?(笑)」
泣きながらも自分を嘲笑うように話す倫太郎とそんな倫太郎の話を辛そうに聞く海音。
倫太郎「いや、俺のせいなんだよね、完全に... 俺のせいなんだよね...」
自分への怒りや悔しさをぶつけるように自分の足を殴る倫太郎。
海音が倫太郎を抱きしめ肩を摩っていると海音の手を握る倫太郎。
倫太郎「...やっぱり冷たい。 ねぇ... 君は何者なの?」
海音『私は... 私は... 星ヶ浜の海で... 生まれて... 育って... 目的があって、ここに来ました。 大好きな星ヶ浜の海を、私の大切な居場所を、守るために... 今ならまだ、出来ることがあるかと思って...。 でも... ここは、海の中とは違うから... 体が持たなくて... あと、2ヶ月くらいしかいられないんです。』
何かを理解し海音を見つめ抱きしめる倫太郎。
倫太郎に抱きしめられて涙する海音。
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徳尾「...カット!」
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作者名:ハムちゃん | 作成日時:2021年4月30日 23時