#03 ページ4
『っ疲れた〜...』
全速力で人通りが少ない廊下まで走った私は息が切れ、なかなか呼吸が整わなかった。
廊下に自分の背を預け目を閉じ、呼吸を整えることだけに専念した。
「A...？ そんな息切らしてどうかしたの...？」
足音もしなく、人が通ってる気配もなかったため、突然声をかけられて飛び上がりそうになった。
『なんだ、研磨か...。 いーやー、何でもないよ〜』
声の主が研磨だと知った私はホッと息をつき、あはは〜と笑いながら答えた。
なるべく明るく振舞ったつもりだが、研磨は私の目をジーっと見ていて、すべてを見透かされている気分になった。
「なんでもなくないでしょ。 何かあったの...？」
『...妹がいてちょっとびっくりしただけだよー。』
隠してもダメだと確信した私は、正直に話した。
「...え。 紗夜妹居たの？」
『居るんですよね〜。 妹って思いたくない妹が。』
おっと、言い過ぎちゃったよ....。
これ追究させられるパターン？
けれど研磨は表情を変えずに、私の指をさした。
「なんで左手だけネイルしてるの...？」
『あー...これネイルチップなんだけどさ、友達につけてもらったの。
んで、家出る直前に気づいて右手だけしか外せなかった！』
ちょうど昨日はバイトも休みだったから、お昼にネイリスト目指してる友達に頼んで、一日限定でつけてみたんだよね。
貝殻がテーマになってて、めちゃくちゃかわいいんだよね〜！
「なんか、派手...。」
『そうかな？ かわいいじゃん！！』
「よくわからない...。」
頬を掻きながら、頭に？を浮かべ話す研磨。
『それ絶対言うと思った！！
...じゃあ、私一回部屋に戻るよ。 チップも外さなきゃいけないしね。』
これ以上話すこともないし、研磨と話しているうちに呼吸も整った。
ていうか、これ以上話したら研磨に色々聞かれちゃうしね。
私は研磨に背を向け、歩き出す。
「もう、大丈夫なの？」
『....なにがー？』
後ろから研磨の声が聞こえた。
その場で止まった私は、研磨の顔を見ずに、震える声をごまかすように明るく話す。
「大丈夫なの？」
....やっぱり騙せないか。
さすが音駒の脳だね。
『うん、大丈夫。 心配してくれてありがとね。』
私がちゃんと研磨の目を見て言うと、研磨も微笑んだ。
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水無月のぞみ - たまに『紗夜』ってなってて変換されてない。 (8月11日 2時) (
レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
svrklove1737(プロフ) - ありがとうございます！ (2018年1月26日 8時) (レス) id: f9850447b6 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮さん(プロフ) - svrklove1737さん» 返信遅くなってすみません。 パスワードは外させてもらいました。 詳しくはpart2に書いてあるので、見てくれると幸いです。 乱文失礼しました。 (2018年1月25日 21時) (レス) id: 61f8b1e56a (このIDを非表示/違反報告)
svrklove1737(プロフ) - この小説のパート2のパス教えてください！ (2018年1月24日 22時) (レス) id: f9850447b6 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮さん(プロフ) - さななーんさん» コメントありがとうございます！ リクエスト、載せさせていただきました！ お返事が遅くなって申し訳ありませんでした。 (2017年10月1日 22時) (レス) id: 912a742714 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨宮さん | 作成日時：2017年6月27日 21時
