【HQ】 及川さんの「信じてるよ お前ら」には意味がある。

意味がある。 ページ13

「マッキーごめん！！」



「えっ！？ お、おう...。


俺も...すまん。」







徹が素直に頭を下げたのに驚いたマッキーくんだったが、マッキーくんも素直に謝る。




うむ。 これでよし。 いや〜、青春だねぇ。




ていうか入畑監督たち喧嘩止めなさいよ。



何ほっこりしてるんですか。







「...よく及川のこと黙らせましたね。


普通ならあそこでしばらく口を利かないはずなのに...。」







岩ちゃんが私の隣に来て、小さい声で話す。



徹はなぜか「ふふん！ 俺子供じゃないからねー！」と、岩ちゃんを含め、みんなに自慢しているが、岩ちゃんはそれを無視する。







『あはは...。 徹は単純だからね〜。


ああ言えばすぐに謝るんだよね。 なんでかわからないけど。』



「...そ、そうなんですか......。」







ぎこちない言葉に、思わず笑ってしまった。







『そんな緊張しなくてもいいのに〜。


岩ちゃんはポジションどこ？』



「WSっす。」



『あ〜!! そんな感じする！


ザ・エース！！ みたいな？』







私がそう言うと、嬉しそうだけどなんか違うというような、何とも言えない複雑な顔に変わった。







『どうかした？


...もしかして私酷いこと言っちゃった！？


ごめん！！ 特に酷いこと言ってるつもりはなかったんだけど！！』



「あ、いえ！！ 全然そういうことでは！！！


...そ、その、なんで岩ちゃんって....。」







岩ちゃんは、顔を赤らめながら頬を掻く。







『あ、なんだー。 心配して損したじゃん！


徹とバレーやってるとき、君のことずっと岩ちゃん岩ちゃん呼んでたからさー。


「今日テスト返しがあったんだけど、俺も岩ちゃんも点数めっちゃ低かったんだー！」とか。


あ。 あと、徹が岩ちゃんは俺の最高の相棒だって言ってたよ！』







　『いいね〜、男の友情だね〜』なんて言っていると、とうとう喋らなくなってしまった。



...今の高校生ってこんなにピュアなの！？



岩ちゃん顔真っ赤ですけど！？




私の時なんて、男子がゲラゲラ笑いながら下ネタ言って、私達女子まで笑ってたんだよ！？





あっ、それ違う。




私達の時がちょっと特殊だったんだ...。

意味がある。→←意味がある。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す