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#12-28 ページ28





夏輝の気持ちを知った上で、想いを伝えてきた麻理亜。
一途に1人を想っていた夏輝は、
最後の告白で麻理亜に何を告げるのか。


横『いつもと雰囲気が違うから、不安』
飯『夏輝くん、なに考えてるの?』



夏「えっと・・・
 違う方向を見てた俺に、
 ずっと気持ちを伝えてくれたことに、
 ありがとうって言いたくて。
 それと・・・ずっと待たせてごめんって言わないとなと思って、
 ここに、来ました」



着ぐるみの頭が少し下を向いた。



夏「ずっと・・・最初から、自分の気持ちが分からなくて、
 考えれば考えるほど、正解を見失っていって。
 ・・・脱落するのも俺で良いって思ってた。
 そんな人がここにいるべきじゃないし、
 正直・・・辞めようかなって思ったことも、ある」



飯『・・・』
滝『そんなこと思ってたのか・・・』



夏「・・・でもさ、毎回麻理亜ちゃんが引き止めるんだよね。
 ここにいていいよって、言ってくれてる気がした。
 ・・・麻理亜ちゃんといる自分が、1番笑えてたと思う」



夏輝はそこで初めて笑顔を見せた。



夏「今も、俺の気持ちがどこにあるのかは分かってない。
 ・・・だけど、麻理亜ちゃんの存在にすごく助けられて、
 俺にとって、麻理亜ちゃんが特別なことはハッキリしてる。

 麻理亜ちゃんが望んでる答えではないと思うけど、
 もし良かったら、
 まずは友達として一緒に時間を過ごして、
 麻理亜ちゃんのことをもっと知りたいです。
 オオカミじゃないって信じてます」



夏輝の手が、麻理亜に差し出される。

麻理亜はゆっくりと、その震える手を前にした。



滝『お願い、渡して・・・』
神『これは渡してくれ』
横『もう、やだ・・・』
飯『震えてる・・・』





 風船は・・・





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作者名:A | 作成日時:2021年8月16日 11時

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