#12-24 ページ24
・
一瞬左に揺れて、
そして、
離された
横『えー!!!!!』
滝『うそ・・・』
飯『っ・・・!』
神『・・・・・・・・・マジかーーー』
Aは・・・
オオカミちゃんだった・・・。
呆然と出した手を見つめる2人に、
手紙が渡される。
Aはその場を去った。
横『え、待って・・・信じられない』
飯『Aちゃんが、オオカミ?』
滝『完全に騙されましたよ』
R「・・・っ」
Aが見えなくなると、
RIKUはその場にしゃがみこみ、
手紙を握りしめて涙を流した。
陣は、その横に立って慰めるように背中を叩く。
R「信じられん・・・・・・」
陣「俺も・・・」
R「え・・・?嘘、だよね・・・?」
陣「・・・嘘では、ないよ」
陣は大空に飛んでいった赤い風船を目で追った。
R「・・・っ」
陣「嘘じゃないけど・・・1番辛いのは、Aちゃんやから・・・」
読もう、と手紙を指差す。
・
《じんくんへ》
私はオオカミでした。
ずっと、騙してしまってごめんなさい。
出会った時は良い人そうだなと思って、
そこからどんどん陣くんを知っていきました。
不器用そうで意外と何でもできて、
緊張していた私を関西弁で和ませてくれて、
面白くてムードメーカーな陣くん。
そんな陣くんが初めて本音を、弱音を吐いた時、
私には陣くんを支えることはできないと思ってしまいました。
私はあなたを欺かなきゃいけなかったから。
本当は私が脱落するべきだったのに。
そうすれば陣くんは他の人と幸せになっていたのに。
大事な月LINEを使ってくれたのに。
許せないのは、自分自身です。
本当に、ごめんなさい。
最後に。
陣くんはカッコいい人です。
だからもっと自信を持ってください。
そして、きっと幸せになってください。
たくさん嘘をついたけど、
これは私の本音として受け取ってほしいです。
ごめんなさい。
でもそれ以上に、ありがとう。
《A》
陣は泣きながら空を見上げる。
風船は遥か彼方に飛んで、もう見えない。
横『っ・・・』
滝『ダメだ、これは・・・』
・
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作者名:A | 作成日時:2021年8月16日 11時