子犬のワルツ ◯ Ninomiya.K

◯ 23 ◯ ページ23

和也「ごめんね、なかなか来られなくて」


『………。』


和也「Aちゃん？」


『…っ、はい！！』


和也「くくっ、とりあえず移動してもいい？」





意地悪に笑う二宮さんに見惚れていたら

まんまるの手が私の手をぎゅって握る





『えっ！？ちょっ…と、』


和也「しーっ(笑)裏に車止めてあるからそこまで走るよ」





もう遅い時間なのに人通りの多い大通りを

二宮さんに引っ張られるように走る





目の前に二宮さんがいるだけで

どきどきが止まらないのに



こんなのって…！！



ついていくのでいっぱいいっぱいで

もう息を吸うタイミングが分からない



ていうか何で来てくれたんだろう



そもそもこんなところで私といて大丈夫なの！？





和也「到着！はい乗って」





何が何だか分からない頭と整わない息のまま

押し込まれるように大きな車に乗せられた





どうしよう

どうしよう





考えてるうちに運転席に乗り込んだ二宮さん





和也「ふふ、大丈夫？(笑)」


『…じゃないです』


和也「でしょうな」





ぽそぽそ呟いて体ごとこっちを見る





和也「相葉さんが…さ、押しかけてきたのよ」


『………。』


和也「でね、何事かと思ったらバッグから大量のタンブラーを出してきてAちゃんに頼んで作ってもらったって」





そこまで一気に喋った二宮さんが





和也「あれね、すげぇうまかったよ」





って私を見た

◯ 24 ◯→←◯ 22 ◯

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す