*出会ったあの日 (優side) ページ3
ー今から8年前ー
中学1年の6月の半ば、なんとなくクラスにも慣れてグループができてきた。学校という偶々隣り合わせたメンツと組織のなかで「仲良くする」のは難しい。周りになんとなく流されてチヤホヤされるポジションになってしまった。でも正直、こんな平凡な日々に嫌気がする。
そんなある日。今日は日直当番だからと職員室に向かう。今日は担任の先生ではなく、英語科の人気教員早坂先生が副担任を務める日である。少しでもいい印象をと思って話す時間がある隙を狙っていた。他の生徒に話しかけられても真面目に対応する早坂先生は私と目が合うとニコッと微笑んでくれる。この空間が1時でも長く続いたらいいのにな。そんなことを思ってボーっとしていたら、早坂先生は奥の休憩室に行ってしまった。仕方ないもう少し待とうとしていると、職員室の廊下に1年共通の靴下を履いた3つ編みのおさげの女の子が立っているのが見えた。恐らく、入学してから一度も見たことがない顔だ。前髪もなく、色白で今にも折れそうなほどほっそりしたスタイルで右手には本を抱えている。そして私が何よりも羨ましいと感じたのはおさげの髪色であった。私はカラスほどに黒い髪色なのに彼女の髪はココアのように温かさを感じる茶色だった。
あの髪色羨ましい。。。マジマジと見すぎてしまったのか彼女と目が合った。ぺこりと軽く会釈すると、彼女が近寄ってきた。
A 「すみません。何年生ですか。私、田島Aって言います。」
(優) 「1年C組の八雲 優です。Aさんは1年生ですか?」
A 「八雲さん。これからよろしくお願いします。1年生なんですが、城ケ崎先生のクラスはどこですか?」
(優) 「こちらこそ、よろしく!!同じ学年だから、敬語じゃなくてタメで話そー。城ケ崎先生は私のクラスC組だよ」
A 「えっ!?そうなの!!先生は今日はいないの??」
(優) 「うん。今日は先生は休みだから、代わりにあそこにいる早坂先生が担当なんだ。」
A 「じゃあ、あいさつに行ってくるね。またあとでね。。。」
(優) 「私、先生に用あるから声かけてみるからまってて」
A「いいの!?ありがとう」
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作者名:琉 | 作成日時:2022年3月20日 1時