２５４：恋の魔法 ページ49
「マジであり得ないよ？Aちゃん？」
私を後ろから抱きしめる翔くん。
「ふふふ。びっくりした？」
「びっくりどころじゃないよ。」
そう言ってまだぺったんこな私の素肌のお腹を撫でる。
二次会も終わり、帰宅して二人でお風呂タイム。
「でも、できても不思議はないでしょ？」
「いや、まぁそうだけどさ？」
４月に入ったくらいから、翔くんは私をそのまま愛してくれて。
悪阻なんかも未知の世界だし、結婚式終わるまでは…なんて思ってたけど『授かり物だし、自然に任せたい』って言った翔くんに頷いて。
「俺も一緒に病院行ってエコー見たかった。」
いじけた様に言った翔くん。
「来月は一緒に行ってくれる？」
クルッと回って翔くんの方を向いて聞くと、
「当たり前。」
ってチュッてしてコツンと額を合わせる。
「翔くん？」
「ん？」
「大好き。」
「俺も。」
「翔くん？」
「ん？」
「幸せだね？」
「あぁ、幸せ過ぎる。」
翔くんの頬にチュッとして、首筋に顔を埋める。
「Aのさ？」
「ん〜？」
「Aとのキスって俺にとっては薬なんだ。」
「ふふふ。何それ。」
「恋の魔法にかかる薬。キスする度に好きになって、キスする度にAに溺れてくのが自分でもわかる。」
「どれどれ？」
顔を上げてチュッチュッてする。
「どう？」
「うん。またA好き度が増した。」
「魔法かかっちゃった？」
「もう、とっくに…多分Aを好きだと自覚する前からきっと…な。」
「まだキスしてないのに？」
「きっと前世でいっぱいしてたんだよ。」
ちょっとこじつけっぽい気もするけど。
「さて、のぼせやすいAちゃんはそろそろ上がりましょうか？」
「はい。そうします。」
立ち上がろうとした私の腕を掴み、
「当分仲良しできない代わりに、いっぱい抱っことちゅぅしてあげるからね？」
って…にっこり笑う。
先にお風呂から上がった私を抱っこしながら、プリンを食べさせてくれる翔くんは満足気な表情で。
「あぁ〜来年の今頃はAと赤ちゃんを膝に乗せて『あーん』できるのかぁ。想像しただけで幸せ。」
って嬉しそうに言った。
きっと…
きっと…
ずっとずっと……
私も翔くんがかける恋の魔法にかかり続けるんだろうね？
「翔くん？」
「ん〜？」
「幸せだね？」
「あぁ。Aと一緒ならきっとずっとずっと幸せだよ？」
微笑み合ってプリン味の優しいキスをした。
ーFin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1027人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月29日 22時
