２４８：仲良し夫婦 ページ43
学生時代の友達に囲まれて順番に写真を撮る。
「初めて見たけど旦那さんすっごいイケメン。」
「ね？本当に王子様みたいだし。」
そんな事を口々に言う友達。
「ふふ。そ？」
外見は確かに文句のつけようも無い翔くんだけど。
「何？その余裕の笑い。」
「そんなんじゃないけどね？意外とヘタレな所もあるし。家事できないし。」
それについて文句がある訳では無いけどさ。
できる限り手伝おうとしてくれてるのはわかってるし。
「Aがすっごい愛されてるっていうのはさっきのキスでよくわかったわ。」
ひとりの友達がそう言うと頷く周りの友達。
「うん。すごく大事にしてもらってるよ？」
「はいはい。ご馳走様です。」
最後カメラで写真を撮り終わると『A』って背後から翔くんの声。
「うん？」
振り返ると、
「そろそろ俺の隣に戻って来て？」
って。
「ごめんね？俺の姫返してね？」
アイドルの様な笑顔で、私の友達にそう言うと友達は真っ赤な顔で頷くだけ。
「A？おいで？」
って優しく微笑んで言うからゆっくり近くと手を差し出す。
「腕組むのもいいけど、やっぱこれの方が俺っぽいでしょ？」
「そうだね。」
翔くんの手を握ると満足そうに笑った。
「お兄ちゃん、一応ね？親族もいるのにイチャイチャし過ぎでしょ？」
そう言いつつもカメラを構えて写真を撮ってくれてる。
「っせぇなぁ。いいだろうが今日くらい。」
「翔さんは『今日』だけじゃなくて、いつも毎日そうでしょうが。」
「んふふ。さすがに会社では我慢してるっぽいけどね。」
「それも怪しいってニノちゃんは思ってますがね。」
うん…さすが二宮さん…
鋭い…。
その後、介添さんに付き添われてメイク室に向かい髪型を変えてもらい、涙で落ちたメイクを直してもらう。
メイク室から出ると翔くんが待っててくれて。
「かわい。」
って笑う。
「本当に仲がよろしいですね。私、何年もこの仕事してますが、今まで見てきた中で１、２を争うくらい仲良しのご夫婦さんですね。」
って介添さんに言われて恥ずかしくなって俯く。
「だって。嬉しいね？A？」
見上げた翔くんは恥ずかしくないのか、本当に嬉しそうに笑ってる。
「さて、姫、行きましょうか？」
そう言った翔くんの腕に手を添えて、披露宴会場に向かった。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月29日 22時
