２４７：ぶち壊し 〜S〜 ページ42
教会の外の階段で、真っ青な空の下で祝福のフラワーシャワーを浴びる。
途中で見つけた美香さんにAはブーケを手渡した。
これは前々からAが決めてあって。
俺も異存は無いし『Aのしたいようにすればいい』と言った。
「翔さん？あのキスは無いでしょ？」
フラワーシャワーの列の最後にいたニノと大野くんに呆れた様に言われて。
「そうか？俺らの仲の良さがアピールできただろ？」
「翔くん。お友達も皆呆れてたよ。」
「いいんだよ、別に。俺とAの結婚式だし。好きにさせろよ。」
俺とAがどんなキスしようが俺らの結婚式なんだし、問題ねぇだろうよ。
「A！写真撮ろうよ。」
Aが学生時代の友達に囲まれて写真を撮ってるのを遠巻きに見る。
やっぱり結婚式の主役は花嫁さんであって、俺は付属品。
「翔ちゃーん！」
大きな声で俺を呼ぶ雅紀くんに体当たりされて、吹っ飛びそうになる。
「相葉さん。落ち着きなさいよ。一応、新婦のお兄様なんだから。」
「んふふ。今日もテンション高いね、相葉ちゃん。」
「うん！やっとだかね。」
本当に嬉しいそうにニカって笑う。
「翔！」
後ろから声をかけられて、振り返るとアイツら４人。
「おう。来てくれてサンキューな。」
裕「てか、お前…結婚式であのキスはねぇわ。」
「ほぉら言われた。」
ニノがバカにした様に言う。
篤「あれって舌入れてたの？」
慎「んな事聞くなよ…。」
「さすがにそこまではしてねぇよ。」
してもよかったんだけど、Aが何かを察知してたのか唇をキツく閉じてたし。
裕「Aさんが泣ながら歩いてた時…いや、お前がAさんの涙を拭ってやった時までは感動だったんだけどなぁ。」
隆「お前のキスで全てぶち壊しだ。」
「俺のAへの愛情いっぱいのキスも感動だったろ？」
俺のAへの深い愛情を知って感動だっただろうが。
「やっぱり翔さんは頭おかしい。」
「んふふ。まだお酒呑んでないのに酔いそうだね？」
「ニノちゃん酔い過ぎてリバースしそう。」
「ね！翔ちゃん！Aのドレスって翔ちゃんが選んだって本当？」
雅紀くんだけは目をキラキラさせて聞いてくる。
「うん。Aは渋ってたけどね。」
『可愛い過ぎる』とか『年甲斐もない』とか言うAを無視して、半ば強制的に決めた。
「すっげぇ可愛いだろ？本当にお姫様みたいだろ？」
『はいはい。』
そろそろお姫様を俺に返してもらおう。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月29日 22時
