２１７：女の敵 〜S〜 ページ12
Aがハンバーグ食べ終わるのを待った。
我慢して…
ビール呑みながら、言いつけ通りにいいコで待った。
Aは食べ終わってから直ぐに使った皿などを片付ける為に、その場を立ち上がってキッチンへ。
「ね？そんなの後でいいじゃん。俺も手伝うから。」
「もう少しだから待って？」
にっこり笑うAに逆らう事なんて俺ができるはずもなく。
ビールを喉に流し込むだけ。
「翔さん…あんたマジで頭平気っすか？」
「抱っこって何がそんなに魅力？」
真剣に聞いてくる雅紀くんに、
「くっついてたいだけ。」
って素っ気なく返してビール。
「普通は女の子の方がそういうの多いよね？オイラ達は樹里ちゃんからだし。」
「ニノちゃん、そんな甘える女は面倒くて嫌。」
「お前は自分の欲が満たされれば何でもいいんだろ？」
「あ、酷い言われようじゃない？いいんですか？ニノちゃんにそんな事言って。」
ニヤリと笑うニノに若干嫌な予感。
「Aさん？イブに『わーわー』」
大声でニノの話しを遮り口を手で塞ぐ。
ニノは目だけで俺をからかっていて。
「ん？イブがどうしたんですか？二宮さん？」
「あ、いや、何でもないよ？ニノはいっぱい予定があるんだって。」
焦って返す俺に３人は笑いを堪えてて。
「大変ですね〜。１時間ごと違う女の子ですか？」
「まさか。今年は仕事だし、一番綺麗で一番身体の相性がいいコだけ。」
悪びれる事も無く、さも当たり前の様に言ったニノ。
「二宮さんって女の敵ですね。」
俺の隣に座りながら、怒るのも通り越して呆れた様に言う。
「そう？女の子もそれ承知の上での付き合いだからアリじゃない？絶対本気にならないって約束で抱いてんだし。」
「価値観違い過ぎて理解できない。」
ため息をついてビールの缶を開け様とするから、缶を取り上げてテーブルに置く。
キョトンと俺を見上げるAを俺の膝の上に抱き上げる。
「ニノちゃんも価値観違い過ぎて理解不能。」
「んふふ。見てよ。翔くんの満足そうな顔。」
「A、抱っこされててやってよ。お兄ちゃん命令。」
テーブルの上のビールの缶を開けて、Aに手渡す。
「もぉ〜。」
口調は怒ってるぽいけど顔は嬉しそうで。
「かわい。」
耳の少し上にチュッてして、Aの腰とお腹に腕を回して、手を組む。
「つ〜かまえた。」
Aの頬にチュッチュッてする。
「ニノちゃん吐きそう。」
「ホント仲良しさん。オイラ勝てないや。」
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年7月29日 22時
