１３２：条件 〜S〜 ページ7
「だから言ったのに！」
真っ赤な顔で怒るA。
「うん。ごめんって。聞こえてるなんて思ってなくて。」
「違うでしょ？シなきゃよかったんでしょ？」
「しょうがないじゃん。Aが可愛いくて我慢も止める事もできなかったんだよ。」
「んもぉ〜！翔くん！！」
「あ、そうだ！Aプリン食べよ？ね？」
「…うん。」
「持って来てあげる。」
頭をポンポンッてして席を立つ。
「あ、雅紀？お母さんが一回帰って来いだって。」
「何で？」
「さぁ？あんまりフラフラしてる様だったらお見合いさせるってよ？」
「はぁ？！」
雅紀くん声でけぇなぁ。
あ、紅茶も淹れてあげよ。
「雅紀がお見合いって！ちょ〜ウケるんですけど。」
「んふふ。盗み見したいね。」
「相葉さん？合コンよりそっちのが手っ取り早くないですか？」
ニノが笑いながら言ってタバコを咥える。
「おい、ニノ！」
「なんすか？」
「Aの前でタバコ吸うなよ。身体に悪いだろ？」
「え？Aさん妊婦？妊婦が朝までなんてダメでしょ？」
「ち、違います！」
焦るAにプリンと紅茶を持って、Aの前に置く。
「はい、A。」
「ありがと。」
返事の代わりに頭をポンポンする。
「んで？ヘタレ翔さんは男になってきたんすか？」
「あぁ。頭下げて同棲の許可もらってきた。」
『はっ？！』
まさかそこまでだとは思ってなかったのか、びっくりしている４人。
「よくうちの親父が許したね？」
「まぁ、条件付きで。」
「翔ちゃん、条件って？」
「ん？順番守る事と、Aを泣かせない事。あと…。」
「『あと』なんすか？」
プリンを食べるAの顔を覗き込み、『いい？』って聞く。
「ん。」
「まぁ…お父さんはそんなに気は長くないってさ。」
「櫻井さん、意味わからない。」
「んふふふ。早めにスーツ着てもう１回来いって事でしょ？」
「あぁ。…って事で、来週は皆で引っ越しな？」
『はぁ？！来週？！』
何だよ。そんな驚くなよ。
Aも驚いてスプーン咥えたまま目を見開いてるし。
「そう、来週。俺、そんなに待てないし。とりあえず明日からAんちに泊まって荷造りするから。」
「え？本当に言ってるの？」
「うん。大マジだけど。てか、そのプリン美味しかった？」
俺がそう言うと、プリンを乗せたスプーンを差し出すからパクッと食べる。
「美味し？」
「ん。A好みだね？」
頭をポンポンしながらそう言った。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
