１３１：頭のてっぺん ページ6
ん…
んん…？
「A？起きたの？」
「ん〜…。」
翔くんの背中に手を回してくっつく。
「おはよ？」
「ん〜ん、まだ。」
頬を翔くんの胸にくっつけて翔くんの鼓動を聞く。
「んとに可愛い。」
私の頭のてっぺんにチュッとキスをされて、翔くんもギュッてしてくれる。
「ふふ。幸せ。」
「ん、俺も。」
更にギュ〜ッてする。
「翔くん痛〜い。」
私がそう言うとパッと腕の力を抜く。
「ごめんね？」
「イヤ、許さない。」
「え〜どうしたら許してくれるの？」
面白がって笑いながら言う翔くんを見上げる。
「ん〜？」
「ん〜？」
「私の真似？」
「そ。」
「もぉ〜翔くん！」
「はは。本当にAは可愛いね。」
そう言いながら私が膨らませた頬を指で押す。
「膨れっ面でも可愛いって知ってた？」
「知らない。」
「あれ？本当に怒っちゃった？」
そんな事を笑いながら言う翔くんが、
「A？怒ってるとおはようのちゅぅしてあげないよ？」
って私の目を覗き込む様に見て言う。
「イヤ。」
「じゃぁご機嫌直して？」
「ちゅぅしてくれたら直るもん。」
「そ？んじゃしてあげる。」
って翔くんが言ってチュッてキスをくれる。
「ん？直った？」
「直んない。もっとして？」
「ん〜しょうがないなぁ。」
やっぱり笑って言う翔くんの唇が重なる瞬間、
「いい加減にしてくれませんかね？」
ってドアがバンバン叩かれる。
ん？二宮さんの声？
あ？！そうだ！！
皆居たんだった！！
「んだよ？邪魔すんなよ。」
「お宅らの会話聞いてると鳥肌が立ってしょうがないんです。」
「帰ればいいだろ。」
「まだね？昨日の報告受けてないんすけど？」
「A連れて帰って来てればわかんだろうが。」
『ね？』って言ってチュッてしてくれる。
「聞こえてますけど？」
「わかったよ！今行く…Aはゆっくりでいいから。」
「うん。」
私がそう返事をすると、頭をポンポンしてくれてベットから下りた。
私も下着や服をかき集めて身に着ける。
さっきの会話が聞かれてて恥ずかしい私は、恐る恐るリビングへ。
すると一斉に集まる翔くん以外の視線。
「A？昨日？今朝？までお勤めご苦労様。」
え？
「んふふ。」
え？
「俺は聞きたくなかった！」
え？
「Aさん？アノ時の翔さんてあんな甘い声なの？『すっげぇ好き』だっけ？」
え？！
「翔くん！！」
「ごめん。そういう事みたい。」
って悪いと思ってないでしょ！！
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
