１６５：威嚇 〜S〜 ページ40
「おい！A！今俺の事バカって言っただろ？」
「だってバカじゃん。」
「お前なバカって『はいはい。兄妹ゲンカはやめてくださ〜い』」
ニノが雅紀くんの口を塞ぎ遮る。
「え？！Aの兄妹？」
「うん。双子の一応兄。」
「あぁ。そう言えば双子って言ってたね。」
「ね？隣の人は？」
ニノの事か？
「会社の人。でもね？すっごい遊び人。」
「Aさん？聞こえてるから。まぁ否定はしませんが。」
「いいなぁA。イケメンに囲まれて。」
女の子が各々頷いてる。
「翔さん？」
ニノに声をかけられて、『あぁ』と返事をする。
「A、終わるまで待ってるから。」
「えぇ？！」
「アブねぇからな。」
騒ぐ女の子達とは違って、シーンとしている男共の方を見て言った。
「翔さん？そんな威嚇しなくても。」
『ククク』って笑いながら元いた席の方に歩いて行く。
「んじゃ、後でな。」
頭をポンポンして俺もその場を後にする。
けど、やっぱり…
気になって後ろを振り返る。
「翔さん、大丈夫ですって。」
「あはは。確かに。男共は完璧『負けた』って顔してたし。」
「まぁ、なかなか翔さんに勝てるヤツはいませんよ。」
「んな事ねぇよ。松本さんはすっげぇカッコよかったぞ。」
席に座ってぬるくなった不味いビールを飲み干す。
「翔ちゃん、俺もおかわり。『あ、俺も』」
「はいはい。」
たまたま通りかかった店員にビールを３杯頼む。
「まぁ？確かに潤？だっけ？はイケメンでしたね。」
俯いて枝豆を食べながらポツリとニノが言う。
「潤ねぇ〜…でも俺、翔ちゃんのが好きだよ。」
ニカッて笑う雅紀くん。
「翔さん？よかったじゃないですか。」
「あぁ。」
雅紀くんの本当の真意なんて俺にもニノにもわからない。
俺を安心させるつもりで言ってくれたのかもしれないし。
でも、お兄さんである雅紀くんにそう言われて正直嬉しい。
運ばれてきたビールに口を付ける。
「ね？いつ本当の弟になんの？」
また呑んでたビールを吹き出しそうになった。
それを察知したニノが手で顔をガードしてる。
「この間実家帰ったら、早く来て欲しそうだったけど？」
「プレッシャーかけますね、相葉さん。でもプロポーズする日は決めてるらしいですよ。」
ニヤニヤして俺を見る二人。
「全部ちゃんとしたらご報告しますんで。」
「待ってるよ。」
って雅紀くんがお兄さんの顔で言った。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
