１６２：絶対の言葉 ページ37
久しぶりに大学のサークル時代の友達からLINEでお誘いが来た。
「ねぇ、翔くん？今週の土曜日、友達と呑みに行ってもいい？」
私の膝を枕にしてテレビを見ていた翔くんに聞く。
「ん？」
テレビに集中してたのか、聞いてなかったらしく聞き直される。
「だからね？大学のサークルの同窓会っていうのかな？集まりがあるの。」
「いつ？」
それも聞いてなかったの？
「今週の土曜日。」
「そ。うん。いいよ？行っておいで？俺、送ってってあげる。」
「え？悪いよ。」
私の膝から起き上がって、抱き上げられて膝乗せられた。
「いいの。帰りもちゃんとお迎え行きますよ。」
「でも、そうしたら翔くん呑めないじゃん。」
「俺がいいって言ってんだからいいんだよ。」
低い声で、真っ直ぐ私の目を見て言う時の翔くんの言葉は絶対で。
「ん。ありがと。」
素直にそう言うしかない。
そうすると嬉しそうに柔らかく微笑んでくれる。
「いつも言ってんじゃん。『もっと我儘言え』って。」
「うん。」
頭をポンポンした手をそのまま私の後頭部に回して、引き寄せられて優しいキスをくれた。
・・・「いってらっしゃい。気をつけてね？」
「うん。」
「帰りはメールして？」
「うん。」
店の前で手を離され頭をポンポンされる。
二宮さんと呑む事になったらしい翔くんも車は運転できないから一緒に電車で来た。
「んじゃ、後で。」
私を店の中に入れると、翔くんはそう言ってドアを閉めた。
店員さんに案内された場所には既に２０人くらい集まっていて。
「A〜！こっち。」
一番中のよかった真弓に呼ばれ隣に座る。
「ごめん。ちょっと遅くなったかな？」
「ううん。乾杯まだだし平気じゃない？てか、何？あんた久しぶりに会ったら、なんか可愛いくなってない？」
私から少し離れて、私を上から下まで見る。
「ちょっと！」
「ははぁ〜ん。さては男できたな？」
したり顔で私を見る真弓。
「ねね？どんな人？イケメン？歳は？何の仕事してる人？」
彼氏いるなんて一言も言ってないのに。
「んじゃ〜乾杯すっぞ〜。」
救われたかな。
けど、乾杯した後も真弓の追求は続き、私も私で適当にあしらいたいのに２時間経っても真弓はしつこい。
「ねぇ〜、A教えてよ〜。イケメン？」
「ど〜だろ？」
私はカッコいいと思うけど、人によって好みあるしね。
「んもぉ〜そうやってもったいつける！」
酔ってる真弓が大声で言った。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
