１２９：朝まで 〜S〜 ページ4
Aの手を引いて入った寝室。
ドアを閉めて、そのままそのドアにAを押し付ける様にしてキスをする。
舌を差し込み、ゆっくり絡めると、
「…んっ。」
Aの甘い吐息で俺の身体の熱が一気に上昇する。
唇を離して見つめたAの潤んでいる目には、俺しか映ってなくて。
…我慢が限界を突破した。
Aの実家でも結構やばかったし。
Aを抱き上げてベッドに向かう。
「ちょ？！翔くん？」
「シッ。静かにしないと起きちゃうでしょ？」
「え？まさか…『うん。そのまさか。』」
ベッドにAをゆっくり下ろして、シャツを脱ぎ捨てると俺もベッドに上がってAの上に跨る。
「翔くん、本気？」
小声でボソボソ言うA。
「うん。マジのマジ。」
「起きちゃったらどうするのよ。」
「そん時はそん時だよ。アイツらも大人だし気を使ってくれるよ。」
「でも…んっ！」
Aの口を俺の唇で塞ぐ。
「ね？お願い。Aが俺のところに戻ってきたって実感させてよ…。」
唇をスレスレまで離して、至近距離で見つめてAにお願いする。
身体を繋げたって俺だけのなんて保証は何にもないのはわかってる。
でも、素肌同士をくっつけて、俺の腕の中でAを一番近い場所で感じる事ができれば、その間は確実に俺だけのA。
「ん。」
短く返事をしたAに、そのまま唇を押し付けた。
・・「あり得ない。信じらんない。」
昼近くに起きてキッチンに水を飲みに行くと、タバコを咥えたニノに開口一番言われた言葉。
「は？」
「『は？』じゃないですよ、『は？』じゃ！」
もう４人起きていて、コンビニでも行ったのかその残骸がテーブルの上に散らばっている。
「１回ならね、気持ちも昂ぶってるだろうし目を瞑ってやりますよ。けど、あんた朝までって…。」
「あぁ、バレてた？」
「『バレてた？』じゃないでしょうよ。」
呆れた様に言ってタバコに火を着ける。
「翔ちゃん…俺、妹のそんなの知りたくないんだけど。」
「ごめん、ごめん。つい、離せなくなっちゃって。」
「櫻井さん、全然悪いと思ってないですよね？」
「そんな事ないよ？とりあえず俺はベッド戻るからご自由に。」
寝室に戻ろうとする俺。
「翔さん！まだスルんすか？！」
「しねぇよ。Aが起きた時にそばにいてやりたいの。」
Aが幸せだって言ってたし。
「もう、勝手にして…。」
４人の呆れた眼差しから逃げる様に寝室に向かった。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
