１５１：人生の宝くじ 〜S〜 ページ26
俺にとってAはすっげぇ大事な宝物。
Aと出会えて、付き合えて、同棲できて…
きっと俺は人生の宝くじの１等を引き当てたんだ。
俺の腕の中で幸せそうな顔で眠るAの額にキスを落として俺も再び眠りについた。
・・・「翔くん？翔くん？！」
「う〜ん…？」
「携帯鳴ってるよ？もう１２時。」
「ん〜あぁ。多分…裕太だ。ほっとこ。」
そう言いながら目を瞑ったまま手だけでAを探す。
「A〜？どこ？おいで〜。」
自分の隣をポンポンって叩く。
シーツの擦れる音がして腕に重みを感じる。
「ちゅぅは？」
「してくれんの？」
「うん。」
「じゃあ、頂戴？」
そう言うとちゅぅ〜ってしてくれる。
薄っすら目を開けるとふんわり笑ってるA。
「かわい。」
思わずギュッと抱きしめる。
「ね？携帯いいの？もう多分１０分は鳴りっぱなし。」
「あぁ。１２時には行くって言ってあったからな。」
「え？！」
「もういいよ。今日はこうしてよ。てか、こうしてたい。」
「それなら、ちゃんとお断りの電話しないと。」
だよな…。
Aはそういうトコ律儀。
「ね？ちゃんとしたらさ？いい？」
スーッとAの背中をなぞる。
「くすぐったいよ。」
くすぐったさから身をよじるA。
「ね？いい？」
「『うん』って言わなくても…でしょ？」
呆れた？諦めた？様な顔で俺を見上げるから、
「うん！もちろん！」
って笑顔で答える。
「それじゃぁ、電話ちゃんとしないと。」
やった！
オッケーでた！
ダメ元だったんだけどな。
言ってみるもんだ。
ソファに投げ捨てた携帯を取りにベッドから出る。
「は『テメェ、ふざけんなよ？』」
あ、裕太がマジギレだ。
「ごめんごめん。今起きた。」
ー３０分で来い。
「無理。Aが調子悪くてついててやりてぇの。」
ーんな嘘俺に通じるとマジで思ってんのか？
ここまでマジギレ裕太は久しぶりだな。
しょうがねぇ…。
「んじゃ、１時間待ってよ。マジで今起きたから支度に時間かかるから。」
ーマジで１時間で来なかったらお前わかってんだろうな？
低い声で威嚇する様に言う裕太。
「わかったって。ちょっと待ってろ。」
ー『待ってろ？』
「待ってて下さい。お願いします。」
ー時間厳守だかんな。
ブツッと切れた電話。
めんどくせぇなぁ…。
「A？支度しようか？」
寝室を覗き込んでベッドで寝ているAにそう言った。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
