１４９：夏休み１１ ページ24
「翔くん？」
切った携帯を呆然と眺める翔くん。
「あ？あぁ。明後日バーベキューだって。」
「前に言ってたの？」
「うん。」
「わかった。じゃぁ私は樹里と買い物でも行って来ようかな？って樹里が行ってくれるかわからないけど。」
「何言ってんの？Aも一緒に行くに決まってるじゃん。」
「え？！」
びっくりして翔くんを見る。
できれば、遠慮したい。
翔くん以外知らない人の中に、何時間もいるのは気を使うし、精神的に疲れる。
この間も正直キツかった。
雅紀程ではないけど、私も人見知りするタイプだし…
一応、大人としての対応はするけど。
「大丈夫だよ。俺がずっとついてるし。」
私の表情や雰囲気で、何かを悟ったのかそう言った翔くん。
「…うん。」
「俺の可愛い彼女自慢させてよ。」
『ね？』って優しく笑いながら私の頭をポンポンする。
「ん。」
「A？ちょっとお昼寝しよ。」
そう言った翔くんは私のバスタオルを横向きにして自分にもかける。
「ほら、もう少しこっちおいで？」
結局、翔くんにくっついてビーチでお昼寝。
目覚めた時には既に太陽は真上を過ぎてて。
「翔くん？翔くん！」
「ん〜？」
「もう１時過ぎだよ？」
私の言葉に目をパチリと開け
「マジで？」
って言う。
「うん。」
「はは。寝過ぎた。」
「だね？道混むから早めに出るって言ってなかった？」
「あぁ。もう一回海入ってから帰り支度しようか？」
「うん。ご飯はどっかのコンビニでいいよ。」
「だな。」
立ち上がった翔くんと手を繋ぎ海に向かった。
・・・「はぁー。」
玄関先に荷物を下ろしてため息の翔くん。
「お疲れ様。」
頬にキスをすると、
「ありがと。」
唇にキスをくれる。
昨日は伊豆高原の可愛いペンションに泊まって、今朝朝食を食べて直ぐ帰路についたんだけどすごく道が混んでて家に着いたのが４時。
６時間近くずっと運転してた翔くんの疲労はかなりのモノだと思う。
「翔くん？荷物片付けたらマッサージしてあげる。」
「え？マジで？やった。」
「うん。だから早くお片づけしよ？」
荷物をリビングに運び、バックの中から洗濯物を出して洗濯機に持って行く。
「Aー？ついでに風呂入れて。」
ってリビングから翔くんの声。
「はーい。」
返事をして、お風呂の栓と蓋をしてスイッチを押し、リビングに戻ると
「A？俺ねマッサージじゃなくて、風呂一緒のがいいな？」
ってにっこり笑って言った。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
