１４８：夏休み１０ 〜S〜 ページ23
真っ赤な顔で怒るAが可愛いくて思わず笑ってしまう。
口の力を抜くとパッと手を引く。
「んもぉ。恥ずかしいじゃん。」
「はは。ごめんごめん。真っ白い綺麗な指が美味しそうだったからね。」
「美味しいわけないでしょ？！」
「ちょっとしょっぱかった。」
「バカ//！」
膝を抱えて顔をそこに埋めて恥ずかしがるA。
「ほんっとに、いちいち可愛いよね。」
「もぉ〜。」
「ね？ちょっとさ、お昼寝しようよ。」
「お昼寝って時間でもないよ？まだ午前中。」
携帯の時計を確認したA。
「いいじゃん。ね？早くココ。」
俺の隣に寝る様に促すと、ため息を吐いたAがしょうがないなぁって顔で寝転び、バスタオルをかける。
「俺にも半分かけてよ。」
「翔くんは自分のがあるでしょ？」
「Aと半分がいいんだけど？」
そうすれば、もっとくっついてられんじゃん。
でも、Aの答えは予想通り…。
「ダメです。」
「ちぇっ。」
「ふふ。また尖ってる。」
「いじけてるからね。」
「今日は何だか子供っぽいね。」
「そ？」
「うん。」
ふんわり笑って俺の頭を撫でる。
「どうした？」
「ん？ご機嫌直る様にいいこいいこしてあげてるの。」
「…Aが可愛いから直った。」
「ふふ。よかった。」
にっこり笑うAに思わずキスしそうになった瞬間、俺の携帯が鳴る。
ディスプレイを確認してまたしまう。
「翔くん？」
「いいんだよ。邪魔されたくない。」
無視してると切れたから、ホッとすると再度鳴り出す携帯。
「あぁ〜もぉ〜しつけぇな！なんだよ！邪魔すんな！」
ー翔？今どこ？
「何でお前にそれを言わなきゃなんねぇんだよ。」
ーんな怒んなって。
『はは』って笑いながら言う裕太。
「用件は？」
ーどこにいんだよ。
「用件言わなきゃ切んぞ。」
ーだから、どこにいるんだよ。明後日バーベキュー『行かねぇ、じゃなぁな』
ーおい！
切ろうと思ったら裕太の怒鳴り声。
「んだよ。俺とAの邪魔すんなよ。」
ーお前らはどうせいつもいつもイチャイチャしてんだろうが。
呆れた様に言う裕太。
「そうですが？何か問題でも？」
ーねぇよ。だから１日くらい付き合えって言ってんだよ。
「ヤダ。」
ーあっそ。んじゃ、お前の過去の女遍歴とか？あ〜んな事してたとか？Aさんに教えてもいいんだけど？
「お、お前ふざけんなよ！」
それだけは無理だ。
ーんじゃ、来るよな？詳しくはメールで。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
