１４４：夏休み６ 〜S〜 ページ19
「もう！ダメって言ったのに！」
案の定Aを離せなくて、Aが湯当たりした。
「ごめんね？…ね？ご飯食べよ？」
Aが横になってる間に運ばれてきた夕飯。
「…抱っこ。」
ベッドに横たわる、まだ少し不機嫌な顔をしたAが俺に向けて両腕を差し出す。
「はいはいお姫様。」
Aを抱き上げてテーブルに向かい、座椅子にそっと下ろして俺も隣に座る。
テーブルには『さすが伊豆！』っていう、海の幸、山の幸がてんこ盛り。
「すっごいね？！私、きっと食べ切れない。」
「いいよ。俺が食べる。」
「よろしくお願いします。」
二人で手を合わせて『いただきます』をして食べ始める。
あっ…
箸でつまんでAの皿にそれを乗せる。
「ふふ。伊豆の特産品だよ？フロントにあったポスターに書いてあった。」
「…無理。こんな大きいの無理。」
「しょうがないなぁ。食べてあげる。」
『ふふ』って笑いながらそれを口にするA。
「美味しいのに。」
「小さいのなら平気。」
「そうだね。時々私も細かく刻んで入れてるけど気付いてないし。」
美味しそうに、お刺身を食べながら何でもない事の様に言うA。
「え？！そうなの？」
「うん。この間の餃子にも入ってたんだよ？」
「…そ、そうなんだ。」
全然気付かなかった。
Aはそんなに好き嫌いないしな。
ビールを注ぎ合いながら、ゆっくりとした食事を楽しむ。
「ね？翔くん？」
「ん？」
「もうお腹いっぱいだよ。入らない。」
そう言ってお腹をさするA。
まだ３分の１は残ってる。
「ん、そのお皿かして？」
俺が皿を指差すと、『はい。お願いします』って目の前に置かれる。
「翔くんって、いっぱい食べるのに太らないね？」
「そ？意外と振り幅大きいよ？顔に出る。」
「毎日見てるとあんまりわからないし、翔くんはどんなでもカッコいいからなぁ…ん？！」
天井を見上げて独り言の様に話してたAの腰を抱き引き寄せて、素早くキスを落とす。
「翔くん？！」
「ん？」
「びっくりした！」
「そ？Aがあまりにも可愛い事言ってくれるから思わずね。」
「もぅ。」
Aの腰を抱いたまま残りの食事を頂く。
でも、俺でもさすがに…。
「俺も、ギブ…。」
「すごい！ほとんど食べれたね？」
「腹がすげぇ事になってる。」
「ふふ。ポコって。」
「でも？まぁ？食後の運動一緒にするからね？」
Aの顔を覗き込んで言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 796人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
