１３８：キスしよ？ 〜S〜 ページ13
とりあえずの引っ越しも終わり、来週の宴会の約束をさせられて皆は帰って行った。
「翔くん？」
「ん？」
「よろしくお願いします。」
二人で並んでテレビを見てた時、突然、ソファの下に正座したAがそう言って頭を下げた。
「ちょ、A？どうした？顔上げて？」
俺が焦ってそう言うとゆっくり顔を上げる。
「一応ね？ご挨拶。」
照れた様にはにかみながら言うA。
「いいのに…そんなの。」
「そういうわけにはいかないしね。」
「そっか…おいで？抱っこしてあげる。」
立ち上がったAが、俺の膝の上に横向きに座りギュッと首に抱きつく。
そんなAの腰を抱き頭を撫でる。
「俺の方こそお願いします。」
「ん。」
「もう俺から逃げらんないよ？覚悟して？」
「ふふ…うん。」
「A？」
「ん？」
「キスしよ？」
キスを誘うと俺の首筋から顔をゆっくり上げる。
期待した目だけど、どことなく恥ずかしそうなAの顔が可愛いくて。
「かわい…。」
思わずそう呟いてキスをする。
チュッチュッと軽いキスを繰り返してると、そのうちに唇同士がくっついてる時間が長くなる。
Aとのキスは本当に気持ちよくて幸せでずっとずっとしてたい。
「…んっ。」
俺の肩をトントン叩くから名残惜しいけど唇を離す。
「はぁ〜苦しかった…。」
少し荒い息を整える様に深呼吸を繰り返すA。
「ねぇ？俺、もっとしたいんだけど。」
「ちょっと待って？」
「待たない。」
「え？ちょ…ん？！」
強引に唇を押し付ける。
唇を押し付けたまま、ゆっくりAをソファに倒して、その上に覆いかぶさる。
ほんの少しの隙間に舌を無理やりねじ込むと、Aが逃げる。
逃がさねぇって。
もう観念しなよ…。
追っかけて追っかけて…
絡め取る。
ここまでくれば俺の勝ち。
Aの弱い上顎を舌先で擽ると、ビクビクと震えるAの身体。
ふふ、可愛いなぁ…。
長い長いキスを終えて唇を離し、コツンと額を合わせると、潤んだAの目に俺が映ってるのが見える。
「もぉ〜…翔くん…。」
「ん？」
「『ん？』じゃないでしょ？」
呆れた様に言うA。
「俺とキスするの嫌い？」
「そんな事ないけど…。」
「じゃぁいいじゃん。俺ね、Aとキスするの大好きだよ？すっげぇ幸せな気分になんの。」
「…ん。」
「って事でさ？続きはあちらで…。」
隣の部屋を指差し、Aをソファから抱き上げた。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2013年6月21日 14時
