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長時間に及んだ撮影も無事に終わり
メンバーさんは次の仕事に向かう準備をしている
私は朝と同様に衣装を車に積み込んで
一旦控え室に戻り忘れ物がないかチェックして
軽く掃除をした後、控え室を出た。
外に出ると、待ってくれているはずの車がない。
『えぇー、そんなに存在感なかったのかよー』
ほんとツイてないなって、脱力してると
1台のタクシーが目の前で停まった。
『Aちゃん、乗って』
窓を開けた直己さんが、おいでおいでと手招きしている。
『すみません。置いていかれたみたいで…』
『それは違うよ(笑)
僕が皆に先に帰っていいって言ったんだ。
話を聞く約束したでしょ?』
そうなんだ…
やさぐれてるから、僻んだ事しか考えつかなかった。
『Aちゃんはお酒そんなに飲めないもんね。
何が食べたい?』
『そ、そんな!お話聞いてもらうだけで十分です』
『お腹空いたじゃん。どうせなら、何か食べながらにしようよ』
『じゃあ、直己さんの好きなもので…』
恐縮して縮こまりながら答えると
直己さんは「フフっ」と笑ってどこかに電話を掛けた。
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メープル(プロフ) - 更新待ってます! (2020年2月27日 10時) (レス) id: 3d617b9b13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にこすまいる | 作成日時:2019年8月14日 0時