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山田涼介side
『ごめんなさい…。』
「どうしたの?」
『良亮と…。』
そう言った瞬間Aが泣き出した。
それでなんとなく察しがついた。
そういうことに関するはっしーとの約束はなにも決めていなかった。
「わかったからもうなにも言わなくていいよ。」
泣きじゃくっているAの背中を撫でる。
泣き止むまでずっと…。
「大丈夫だから。目腫れちゃうよ?」
耳元で囁く。
Aはうなずくけれどまだ涙を流している。
『ごめんなさい…。』
「もう、泣くなよ…。」
そのときAとの間にラッシーが割り込んできた。
………?
抱きしめていた腕の中にAが居なくなった(笑)
ラッシーに取られた(笑)
大人しく抱きしめられているラッシー。
抱きしめられて嬉そうっていうかAの気持ちを感じ取っているように見えた。
きっとAが辛いとき一番近くでAのことを見守って支えているのがコイツなんだと感じた。
そしてラッシーが俺の方を見てお前にこのポジション譲るつもりないから。とどや顔された。
お前にはかなわないよ。
そっと立ち上がりお風呂を沸かすスイッチを入れた。
そしてまたさっき座っていた場所に座る。
『………?涼介くんがラッシーになってる!!!
なんで??私が抱きついてたの涼介くんだよ?
なんでー!?!?』
「(笑)」
もう笑うしかなかった。
まさかの気がついてなかったやつ。
このあとお風呂が沸き先に風呂に入った。
そしてそのあとにAが入った。
Aがお風呂から出て来た気配がして後ろを向くと
タオルを巻いただけのAが立っていた。
「風邪ひくだろ。」
近寄って首にかけていたバスタオルをAにかけた。
『抱いてください…。』
「えっ…?」
『良亮とだけなんてイヤだ…。
二人のこと平等にしていたい…。』
Aの優しさと罪悪感からなのかな?
そう思いながらAを抱きしめる。
「そういうこと?
俺が抱きたいって思ったときに抱く。
Aは心配するな。」
『………。』
「そんな不満そうな顔しないで。
ルームウェア来ておいで?」
『………。はい…。』
Aは戻って行った。
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作者名:197561549 | 作成日時:2017年11月28日 23時