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康二くんと仲直りをしたあの日以降、普段通りに接してくれるのはやっぱり優しさでしかなくて、私には少々の気まずさと恥じらいが残った。
セミの声を聞きながら、アルバイトに暮れる日々。
お休みの日は康二くんと出かけたり、溜めていた録画番組を二人で見たり、図書館で少しだけ出されている課題をしたり。
目黒との一件は誰も口にしなくなっていた。
触れてはいけないパンドラの箱。
見ないふりで、過ごしてきた。
なんてしているうちに新学期はやってきて、二ヶ月あったかなかったかの非日常は、いつもの日常へと戻っていく。
花火大会の日から一度も目黒には会っていない。
確実に会わないように、私が避けていたから。
怒りとか、悲しみとか、そんなのじゃなくて。
今までの彼女たちに向けられたそれとは違う、なにも感情が乗せられていない目黒からの行為に、感じたのは虚しさだけだった。
それでも、消えなかった。
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作者名:平野 頼凛 | 作成日時:2019年9月21日 13時