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「決めるのは、お前だから。」
私の発言に対して、優しい言葉ではなく、追い込んでくるかのような言葉を発する目黒は、やっぱり私の知る目黒蓮だった。
「もう行こう、康二くん、待ってるよ。」
『うん。』
止めていた足を動かして、来た道を辿る。
向き合えば、次に待つのは選択で。
誰も傷つけたくない、なんてのは綺麗事にしかならなかった。
先程の目黒の言葉が頭をぐるぐると巡る。
私が決めなきゃ。
そんなのわかっているのに、答えは闇のまま見つからない。
「ただいまー。」
「おかえりー！」
今、康二くんの顔を見たら、泣いてしまいそうで。
思わず俯いた。
そしたら、康二くんは私の手から荷物を取り、
「頑張ったな。」
と小さく呟いた。
耐えきれなくなり、玄関を飛び出し扉の前で崩れ落ちた。
優しさが、胸に溶けて、苦しい。
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作者名：平野 頼凛
| 作成日時：2019年9月21日 13時
