儚くて、淡くて、愛しくて (ページ4)

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｢忘れ物は大丈夫だし、事前資料もおっけい！きっと大丈夫！｣

よしって気合いを入れ直して、初めて通る道をまた歩き出す。

何回も携帯の地図と睨めっこして、やっと目的地に辿り着く。

まず受付だっけ、ここはA棟だから…あっち？

｢会社、デカすぎだって……｣

4月入ってすぐ、新社会人になったワタシ。

地元からちょっと離れた大手企業。

高校2年生から難関と言われる大学に入るためにしっかり勉強しだして、いい所の大学に入って。

これだけ見ると、勉強ばっかでつまんない人生だなぁとか言われそうだけど、性格からか、友達もすぐ出来たし、恋愛の方も…それなりに経験してきた。

うん、上手くいってるでしょ？

唯一、ずっと心残りだったのは、高校1年の冬。

たったそれだけ。

久しぶりに思い出したのは、今日が季節外れの雪だから。

雪が降ると毎回思い出すあの笑顔。

6年も経つのに。

もうそろそろ、忘れさせてほしいな。

受付に行くと、追加資料と入社式の会場の場所を簡単に教えて貰って。

〇｢経営企画部は左側の扉から入って前から座って下さい｣

｢ありがとうございます！｣

会場大きいな…部署事にとってる人自体は少ないけど、部署が多いからなぁ

ホント、緊張してきた……

はぁって重いため息が出て、改めて気合いを入れ直そうとした時、｢ねぇ！｣って目の前にヌッて…

｢わっ！？｣

目の前にバーンとイケメンのドアップ。