儚くて、淡くて、愛しくて (ページ28)

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｢お待たせしました、相葉さんありがとうございます｣

そう言うと目をまん丸くしたまさにぃと目が合う。

雅紀｢あーそっかー！これからは後輩ちゃんになるのかぁ～｣

｢え？｣

雅紀｢中学とか、高校とか一切被れなかったから、Aちゃんが後輩って憧れてたんだけど、いざそうなってみるとちょっと悲しいなぁー｣

｢え？どういう…｣

私も、学年被ったら学校で先輩とか呼べるのにな

とか

もっと近くにいれたのかな

とか

何度も思って、その度に隣にいる同じ学校のまさにぃの彼女を羨ましく思った。

だから、私はまさにぃが先輩であることが凄く嬉しいのに。

なんでまさにぃは悲しいの？

雅紀｢とりあえず！2人の時は昔みたいに！ね？｣

｢え？うん、いいの？｣

もちろんって笑うまさにぃ。
隣で並んで歩くのが凄く久しぶりだ。

あの冬の日から1度も。

彼女と歩くまさにぃを遠くから見てただけ。

一緒に帰れることが、どれだけ特別か。

雅紀｢Aちゃんここから電車？｣

｢あ、えっとここからだと……歩いた方が近いかも｣

降りた駅は最寄り駅はここから1駅先だったんだけど、居酒屋がちょうど真ん中だったから。

雅紀｢え！？じゃあ俺ん家近いかも!!｣

｢っえ！？｣

俺ん家はあっちの道を曲がって～って説明してくれてるのを聞いてると、本当に近い。

小さい頃、お互いの家を行き来してた距離とちょうど同じ距離な気がして。

雅紀｢なんか昔に戻ったみたいで嬉しいや｣

｢─────っ、｣

本当に、率直に嬉しいこと言ってくれるんだよね。

それに、同じこと考えてたってだけで嬉しい。