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ため息をつくから、呆れられたのかと思ったのに。
私よりもずっと大きくて逞しい彼の体は、
すっぽりと私の体を包み込んでいて、
何事か、と思考が停止した。
……でも、密接に感じる凪くんの鼓動や匂い、
体温に、どうしようもなく、安心する。
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凪「……なんかあった?」
「…………(コクリ)」
凪「…仕事?」
「……、私、今日…本当にダメで……」
凪「うん。」
「……いっぱい、色んな人に迷惑かけちゃって…」
凪「…そっか。」
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慰めるわけでも、何か助言をくれる訳でもない。
ただ、“そっか”と言って、頭を撫でてくれた。
それだけの事で、凝り固まった心が段々と解けていくようで、
1度止まっていた涙でまた視界が滲んだ。
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「…なぎくん、」
凪「なあに。」
「…もっと…頭、撫でて…ください。」
凪「…ふふ、いいよ。」
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大きな手がふわふわと私の頭を撫でて、甘やかしてくれる。
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凪「いつもと逆だ。」
「…?」
凪「いつもはAが俺の事甘やかしてくれる。」
「…そう?」
凪「練習頑張ったら褒めてくれるし、
俺の面倒見てくれるでしょ。」
「…私がしたくてしてるの。凪くんのこと大好きだもん。」
凪「俺もAのこと好き。
だからAを甘やかすのも悪くないって思う。」
「…/」
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よく喋る人じゃないけど、表現はストレートで、
いつも真摯に向き合ってくれる。
…ああ、やっぱり、この人が大好きだな。
end
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おとぎ(プロフ) - ゆらぎさん» 初めてコメントをいただけてとても舞い上がっています!何度も読み返していただけて凄く嬉しいです!ありがとうございます(^^) (2023年4月4日 6時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!なんか元気出ます!何度も読み返しちゃう!次回も楽しみにしてます!! (2023年4月4日 1時) (レス) @page7 id: 3bb62ec97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おとぎ | 作成日時:2023年3月31日 21時