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照「言いたいこと、そんだけ？」
泣きじゃくる私の向いで、静かに低い声で照がそう言った
照の表情は先ほどと違って怒りに満ちていて、でもいつものように感情的になるのではなく静かにその怒りを全身から溢れさせているようだった
「え？」
照「俺よりその幼馴染が良いって、そう言いたいんだろ？
幼馴染は分かってくれんのに、なんで俺はわかんねぇのって言いたいんだろ？
このままの俺だったら別れたほうがいいとか言うんだろ？
それで、お前は幼馴染と幸せになろうとしてるんだろ？」
いつもは私の名を呼んでくれるのに、お前と呼ぶ照が怖かった
気の抜けたような弱々しい声で、淡々と言葉を紡いでいく
照「俺は絶対認めねぇ、Aと別れねぇよ。
もし、それでもAが別れるって言うんなら、、、」
と言いながらふらふらとキッチンの方へ消えた照
「照？ちょっと、、、」
慌てて照を追ってキッチンに向かうと
照は包丁を右手で持って、左手を突き刺そうとしていた
照「Aと別れるぐらいなら、こうして死んでやる！」
手に持った包丁を振り上げて
「待って、照！！」
そう叫んだのも虚しく、照は包丁を振り下ろし、刃先は垂直に照の左手の甲に刺さった
溢れ滲む血
痛いはずなのに平然と、ましてや不気味な笑みを浮かべて
照「Aと別れるぐらいなら、死んだ方がマシ。」
と言い、もう一度右手に持った包丁を振りかざす
「やめて照！」
咄嗟に照の腕にしがみつき、なんとか照の暴走を止める
照「Aに愛してもらえないなら、生きてても意味なんてねぇんだよっ！」
「照、落ち着いて！別れない!別れないから！」
照を落ち着かせるためには、そう言うしかなくて
咄嗟に別れないと告げると、照は冷静に包丁を置いて
左手から血を流しながら私を抱きしめた
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作者名：紫陽花
| 作成日時：2022年9月11日 22時
