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康二side
そういえば、名乗ってなかったと思って簡単な自己紹介をしたら
○太「君のことはAからよく聞いてるから大丈夫」
と言われて、同期である○太さんに自分のことをよく話してくれているAちゃんを想像してなんだか少し嬉しいような恥ずかしいような気持ちになった
手早く紅茶の準備をして、リビングのテーブルに向かい合って座る
考え込んでいる○太さんの表情は、俺の不安をさらに増幅させた
○太「あの、Aの彼氏のことどこまで知ってます？」
康二「長いこと付き合ってるとは聞いてます。この前初めて、Aちゃんの病院で会ったんですけど、ちょっとなんていうか怒られました。」
照さんと会ったことを話せば途端に険しくなる○太さんの顔
○太「彼氏に会ったの？で、何て言われた？」
康二「Aに甘えんなって。いくら幼馴染でも、何ヶ月もAちゃんの家に居候してるのがあかんかったみたいです。俺が悪いんですけどね」
そう言うと○太さんは、納得したように無言で何度も頷いた
康二「どうしたんですか？」
○太「あいつの彼氏めちゃくちゃ嫉妬深いんですよ。嫉妬深いというか束縛レベルで。」
それまで落ち着いていた○太さんが少し興奮しながら話し出す
聞けば、昔会社の飲み会で酔っ払ったAを照さんの家まで送ってあげたら、
表情ひとつ笑わない冷めた目で、どうもお疲れ様でしたと言われたらしい
照「これからは俺が迎えに行くんで、Aが潰れた時は呼んでください。」
感謝の言葉ひとつ言わずに、まるで○太さんがAちゃんに触れたことを警戒するような言い方に気分が悪かった思い出があるらしい
○太「だから、今回帰ってこないことにもその彼氏が絶対関係してるって俺思うんですよね。」
「確かに、連絡返ってこないし心配ではありますけど、まさか。」
○太「実は、あいつ昨日退職願をメールで送ってきたんですよ。あの真面目なAが考えられます？メールで送るなんて。」
その言葉を聞いた時、俺の中にある嫌な予感はさらに強まっていく
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作者名：紫陽花
| 作成日時：2022年9月11日 22時
