恋愛ドラマティック２

56.始業式　 ページ7

あの日の夜

先生に

電話した方がいいかな…

ううん、

電話、したいな…

って

勇気を出して

電話を掛けた










のに



トゥルルってコールばかりで

先生の声は

聞くことが出来なかった





















ララには、

電話で謝ったら

全てを察したように

「バカ。」

と言われただけで、



最近じゃ

ララの「バカ」には

ちょっぴり愛が

込められてるって

気づいちゃったから、

元気がなかったララからの

“ありがとう”なのかなって

いいように捉えることにした









そんなこんなで迎えた始業式







体育館に向かう廊下の途中


生徒たちは

心なしか

こんがり焼けていて

少しだけ

気だるそう








そんな中

いつものように真っ白な

不健康そうな肌の色を見つけて

ドキン、と胸が

音を立てた









ふと、

こちらに気付いた先生に

「センセっ…」

て、

駆け出そうとしたら

後ろから

ポンと肩を叩かれて

振り返る






相「A!!」


「雅紀!!おはよう!!」


相「おはよ！
こないだ、楽しかったね!!」


「うん！
見てみて、こんなに焼けちゃった!!」


相「オレも!!すげー皮剥けたの!!」


「ぎゃ！汚ないー！」


相「うひゃひゃ！」


「あ！先生！」


相「先生？」









雅紀との話に気をとられて

先生の元に行く

タイミングを逃しちゃって


雅紀に

ちょっとゴメン、ってしてから

急いで向かった













だけど









「センセ!!」






って声を掛けたら

先生は

チラッとこっちを見ただけで

なんにも言わず

なんにも言わせず

ペタペタと

歩いていった







その目は

いつもよりずっと

冷たくて

体中が

サーっと冷えていくのを

感じた

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