恋愛ドラマティック２

94.紫 ページ45

潤くんは

両手に荷物を抱えて

帰ってきて




松「これが化粧品で、これが部屋着と下着。んで、明日の着替えと靴と、あと食べ物と飲み物ね？」




って

なんてことないみたいに

それらを広げた










「し、下着まで…!!」


松「シャワーでも浴びておいで？
その間になんか作っておくから。」









おっしゃれーな部屋着に

可愛い下着





これ、

買うの恥ずかしくないのかなぁ…？





なんてことないか、

潤くんだもん。笑

















シャワーを浴びて

リビングに戻ると

美味しそうなパスタが

出来上がってて

いただきますって

ひとくち食べたら

何故か

涙がこぼれた











松「泣くほど美味しかった？笑」


「うん…」


松「ルリさんが、恋しくなった？」


「うん…」


松「翔くんが、恋しくなった？」


「……うん。涙」


松「明日、一緒に帰ろうね？」


「うん……」










やっぱり

潤くんは何でもお見通し


















松「おやすみ、Aちゃん。」


「おやすみ、潤くん。」









ベッドで寝ていいよって

潤くんは何度も言ったけど

さすがに

そこまでご迷惑は

掛けられないからと

丁重にお断りしたら




松「じゃあ、ここに布団敷くね。」




って

リビングのふかふかラグの上に

お客さん用だと言う

お布団を敷いてくれた







紫色のシーツのお布団に

潜り込むと

家とは違う、

潤くん家の匂いがして

家とは違う、

おっしゃれーなシーツの色合いに

寂しさが込み上げる








翔ちゃん、

酷いこと言ってごめんなさい




ママ、

嘘ついてごめんなさい




センセ、

センセに逢いたいよ……














寝ようと思っても

次から次へと

いろんな感情が

頭ん中を駆け巡って

目眩がしそう…













先生に掛けすぎて

電池の切れた携帯を

握りしめて

聞けなかった声の代わりに

夢に先生が出てきてくれるよう

窓の外の

お星様にお願いして

熱く腫れた瞼を

ゆっくりと閉じた

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