恋愛ドラマティック２

61.ちょっと待っとけ ページ12

慌てる翔ちゃんに

呆れるほどの笑顔を向けて

智くんは

職員室の前にやってきた










大「すぐ準備すっから、ちょっと待っとけ！」









始業式だけ、ってこともあり

職員室は

ガランとしてて

そっと中を覗くと

うきうき支度をする智くんと

もう一人だけ











「あっ……」









智くんと同じように

帰り支度をしてる

先生は

きっと、

あたしに気付いてるのに

こちらを見ようとは

しなかった


















大「あ、二宮先生！
僕ね、今からAとデートすんですよ！」







この状況を

知ってか知らずか

智くんは

先生に対し

意味のない自慢をした






智くん、

そんなの

自慢にもならないよ







むしろ、

先生にとったら

メンドクサイことなんだから


















大「二宮先生、聞いてます？」












にこにこしてる智くんと

真面目な表情のまま

何も話さない先生









なんか、

先生のその態度が

今のあたしには

余計にツライ



















大「あ、分かった、妬いてるんでしょ？笑
じゃ、僕急ぐんで!!

Aお待たせ、さぁどこ行……
ってオイ!!
二宮ゴルァー!!どこ行くんじゃボケェー！」















さっきまで

何も反応しなかった先生が

突然

席を立ったかと思うと、

智くんを押し退けて

こちらにやって来た












「えっ？えっ？」


和「逃げるぞ？」


「えぇー！」















そして

あたしの手を取って

楽しそうに

走り出した

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