着色/ヒラノ課長 ページ39
「………はい！目開けてええよ」
ヒラノさんが満足げな声を出して、私に声をかけた。ふっと言われた通りに目を開けて鏡を見れば、先程までとは変わって綺麗な水色に色付いた私の唇が目に入る。
「A、水色似合うなぁ、まあ俺の女やから似合わんわけないけど」
「…ありがとう、ございます」
ニコニコと笑うヒラノさんにこちらも嬉しくなるが、置かれている状況を思い出して、ふと気分が沈んでしまった。
もう帰りたいとは言わないから、せめて外に、……変わらないか、帰りたいも外に出たいも。結果はどっちも同じ、私が痛い目を見るだけ。
「……A？どした？」
「あ、いえ、水色ってヒラノさんのイメージカラーだから、その」
「恥ずかしい、か？」
「え、ええっと…その、はい、そうです」
嘘をつくのは良くないけれど、今を嘘で塗り固めないと私はいつか崩れてしまう。ガラガラガシャン、って感じに。
「…もうちょい、やな」
「…？」
「お前が触れられてきたものを上書きできるのが」
それがどういう基準かはよく分かっていない。だけどヒラノさんは、私をヒラノさんと同じようにさせる。例えば金髪にするだとか、食の好みだとか、そういう感じ。食に関しては嫌いなものはなかったからよかったけど、想像したらゾッとする。
「俺色に染める、ってのも中々キツい台詞やけど、お前が俺以外に染まってほしくないんや」
“ほら、外に行ったら汚れてしまうやろ？“
ヒラノさんは、まだ笑顔を絶やさずに私の肩を掴んでいる。ギリギリと、肩に置かれた手に力が込められる。
「…言い、ませんよ。二度と、そんなこと」
私が赤黒い何かの塊になるか、綺麗な水色で染まってしまうか、それは未来の私なら分かることだろう。できれば、水色でもあり優しい陽の色でもありたいのだが。
-------------------‐
お久しぶりです。
過去の話を思い出して苦痛を味わうなどしました、全部書き直したいまである。めんどくさいのでしませんが。
話の書き方も過去のやつに合わせてます。改行ばっかですね。
短文書きてぇなぁ〜〜と思った時にここを思い出したら更新していく予定ですが期待はしないでください。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーアルファベット
X
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時透時雨 - こんにちははじめましてリクエストなんですがオダケンさんって書いて貰えますか？ (2021年2月14日 2時) (
レス) id: d79594df8b (このIDを非表示/違反報告)
虎一(プロフ) - みやびさん» ｱｯｱｯよかったです…！！書きそびれてましたがリクエストありがとうございました！！ (2019年2月15日 2時) (レス) id: 6f6651001a (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - テラゾーさんをありがとうございました！！今回も好みにどストレートでした！ (2019年2月14日 19時) (レス) id: 02409a287c (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - 虎一さん» 全然大丈夫です…！！いつまでもお待ちしてます！ (2019年1月1日 1時) (レス) id: 02409a287c (このIDを非表示/違反報告)
虎一(プロフ) - みやびさん» 嬉しい感想ありがとうございます〜！！テラゾーさんはあまり動画を見てないので少し口調等がおかしくなってしまうのですが…それでも良ければしばらくお待ちください…！！ (2018年12月31日 20時) (レス) id: 6f6651001a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
