▶マッドスマイル (ページ27)

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笑顔が26こページ27

一方その頃、拷問室ではショッピはスパイを監視し続けていた。

スパイ「早く拷問の続きをしろよ」

何もしないショッピにスパイは苛立っている。

スパイ「高みの見物か？ふん。それとも怖気付いたか？」

syp「いや、見張っとけって言われたんで。言われなくともあの人が帰ってきてから再開しますから」

しれっというショッピだが、内心は今後の不安でいっぱいだった。
Aが笑顔で飛び出したのを見て、あぁ例の発作が始まったのだとショッピは察した。そして、拷問というシチュエーションも合わさり、この先のAの行動が全く読めないのである。ただシャオロン、コネシマの反応を見るに、自分が貧乏くじを引いたのは明らかだ。
また、1時間経っても帰ってこないため、その不安も大きさを増していく。Aが嘘をついたことはないため、必ず戻ってくるのは確信しているが、その確信も今や不安材料の一つにしかならない。
これはひとらんかエーミールに連絡を入れるべきか否かなどとグルグルとショッピは思考していた。

添加物はと言うと、拷問すら見ていて吐き気がしているのに、Aがいることで更に恐怖心が煽られ、カタカタと部屋の隅で始終座っていることしか出来なかった。

数時間経った頃、扉がガチャリと開き気の抜けた声が部屋に響く。

『ただいまー！思ってたよりも時間がかかっちゃって。お待たせしたね、ごめんね！』

ニコニコと笑顔で入ってくるA。その全身は血に塗れていた。

syp「おかえりなさい。どうしたらいいっすか？」

ショッピはチラリとAに視線を送る。Aはショッピに念のため銃を構えておくように指示する。

『嬉しすぎて動き出すかもしれへんからな、一応銃構えといてなー。じゃぁ連れてくるから！』

スパイ「連れてくるって……」

そういうとAは一旦扉の外に出る。そしてもう一度扉が開かれる時、スパイにはその一瞬がスローモーションに見えた。

(やばいやばい。何か知らんがとてつもなく嫌な予感がする……！お願いだ、その扉を開けるな！ヤバいヤバイやばい)

スパイの頭の中で警鐘が鳴り響く。この先はヤバい見るなと。
しかしスパイは拘束されているため、呆気なくその光景を目にする。

『はい！連れてきたよ、奥さんと娘さん！！』