▶マッドスマイル (ページ24)

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笑顔が23こページ24

『一応確認やん！りょーかい』

Aは通信を切ると少年に再び目線を戻す。

『ウチのトップに聞いてみたけど、アカンて。じゃぁ笑えない君はもう用済みやな』

ニコニコと微笑むAは、ダンッと踏み切ると素早く少年を組み敷き、眉間に銃口を当てる。
少年は咄嗟の出来事で追いつけず、されるがままAを見上げる。

『どう？最後に笑ってみる？』

Aは依然と笑顔だが、少年だけでなく側から見てもAの表情が笑顔なのかが分からなくなってくる。

少年「は、なに、言って……」

『じゃぁいらんわ』

絶望の表情を向ける少年に、Aは躊躇いもなくその引き金を引く。
兵器はその場に横たわり、大量の血が水溜りを作る。
ふーっ、とAは立ち上がるとシャオロン達のもとへ変わらない笑顔で戻ってくる。

『さぁ、帰ろっか！』

sha「ホンマお前の世話するん疲れたぁぁぁ！！誰か俺を労ってくれ……」

シャオロンはAの横を歩きながらトボトボと歩く。そんなシャオロンを見て、Aは「私が労ってあげるやん！」と笑う。

その2人の後ろを添加物はふらふらとついていく。その顔は血の気が引いている。
くるっとAが振り返ると心配そうに添加物に声をかける。

『大丈夫？しんどそうやけど、疲れちゃった？』

sha「あれちゃうか？さっきのインカムのやつ、Aが間違ってグルッペンだけやなくて、幹部全員に流したやろ。あれで耳やられたんちゃうか？」

『ホンマ？！間違ってもーた！ごめんな添加物ちゃん？耳大丈夫？』

その言葉に添加物はコクコクと縦に首を振る。それを見ると、Aとシャオロンは再び前を歩いていった。

本当のことなど言えない。Aが本当にグルッペンに死んでもいいのかと聞くだなんて、あの少年も思ってもみなかっただろう。あの時、許可が降りていれば自決していたのだろうか？普通はそんな事はしない。ただ添加物の目の前を歩くあの女は、普通の概念からかけ離れているように感じた。

“笑顔”

以前幹部達より、Aは笑顔を大切にしていると聞いたことがある。そして普段よりそうなのだろうと添加物も感じていた。
最初は頭がお花畑のおめでたい奴なのだと思っていた。しかしカッターの件、今回の件からその考えが180度変わる。自分の過去の行いを振り返ると、書類の押し付けなどよくやったものだ。
もう何が地雷か分からない。それともあの行動は敵のみなのか、添加物はグルグルと考えるもその答えは出なかった。