▶マッドスマイル (ページ23)

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笑顔が22こページ23

『君で最後やで？』

少年「ふん……だから？そんなのボクには関係ないね」

笑顔で近づくAとは反対に、少年は子どもらしからぬ怖い表情でこちらの動向を窺っている。

『関係大ありやで！最後の一人やからな、最後は笑顔で死ねるようにしてあげようと思って！！』

満面の笑みで話すAに、少年の眉がピクリと動く。

少年「子どもだからって舐めるなよ。それに、これから死ぬのはお前らだ！」

少年から醸し出される雰囲気は凄まじく、後ろにいるシャオロンですら冷や汗を流す。しかし、Aはいつも通りの口調で続ける。

『わぁ！落ち着いて。まぁまぁ、とりあえず笑顔はさ、大事やからね？君には笑って欲しいんやけど……何したら笑ってくれるん？』

少年はこの場にそぐわぬ雰囲気のAに、違和感を覚える。その違和感は確証はないが、ただAを見て圧倒的な強さは感じられない。そうだとすれば、Aが強がっていて、このようなチグハグな言動が違和感を生んでいるのだと考えた。
ならば、さっさとこのお遊びを終わりにしてアイツらには死んでもらおう。

少年「じゃぁ、お前今ここで死ねよ。そうすればボクは最高に笑うことができる」

下卑た笑みを浮かべる少年。その言葉にAは大袈裟に驚いてみせる。

『わお！まさかの回答やな！うーん……そうやな、君の笑顔のためやし。ちょっと聞いてみるわ！待ってな！！』

この状況下でも尚笑顔で話すAに、少年は少し恐怖心を覚える。

(コイツ……気味が悪いな。強がりが止められなくなったんか……？)

Aはインカムに手を当てると通信する。

『あー、グルッペン？あんさー、今目の前に最後の兵器君がいるんやけどな？その子にはやっぱり最後は笑顔で死んでほしいなぁと思って。そしたら兵器君な、私に死んでほしい言うねん。やから死んでもいい？』

gr〈そうか。残念だが許可できないな。お前も分かってるやろ、俺の幸せを〉

『一応確認やん！りょーかい』