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東ブクロさんが手に持っていたのはまさに私が無くして困っていた学生証とカードキーと鍵だった
「そ、それです!」
東「ホンマに?ならよかったわ」
そう言って東ブクロさんは私の学生証を見ていたが1つ疑問が浮かんだ
「でも、どうして東ブクロさんがそれを持っているんですか?」
東「自分ともう一人友だちと一緒にさっきここに来たやろ」
さっきとは別の意味でドキッと心臓が止まったような気がした、まさかバレてるとは思ってなかった
「ど、どうしてそれを?」
東「だってさっき君の肩叩いたん俺やから」
しばらくの沈黙してからようやく頭が動いたとおもうと口が開いた
「えぇ!!」
東「驚きすぎやって、出待ちしとったんやろ?」
「はい、すみませんでした」
私は頭を下げると
東「いや、俺は別にええねんけどやっぱりよしもとの人が多いやろ?吉本は出待ち禁止にしとるから
もしその人たちやったらめっちゃ怒られとったかもな」
出待ち禁止を綾は知っていたのかな?もしかしたら知ってて出待ちしようと思ってたならと思うと
「あの、本当にすいませんでした」
東「別にええって、それを言おうとして肩叩いたら逃げたから丁度良かったわって思ったら君が
さっきの学生証落としたから待ってたんやで」
「なら、なおさら申し訳ないです、こんな時間までここに寒い中いてもらって」
すると東ブクロさんは私の目を真っすぐ見て優しく微笑んだ
その微笑みを見て私は顔が赤くなっていくのが分かった
東「別に俺は明日仕事休みやからええよ、それよりも......自分名前なんて言うん?」
私はまさか東ブクロさんに名前を聞かれたと思ってもないからきょとんとしてしまった
「えっ...あ、え、私の名前ですか?」
東「そうやで、俺すっごい聞きたい」
「あ、は、はい、私の名前は九条Aです」
東「九条Aちゃん...かわええ名前やな」
「かっ!可愛いだなんて」
東「可愛ええ子に可愛いって言うのってアカンの?」
「そ、そんなんじゃないですけど」
雨音でかすかに聞こえるけど東ブクロさんが少しづつこっちに近づいてきた
私は東ブクロさんから目を話すことが出来なくなっていた
もう目の前まで東ブクロさんが来ていたけどなぜか逃げることが出来なかった
すると東ブクロさんが私を抱きしめてきた
「ひ、東ブクロさん!」
傘を離してしまってさっきよりも強くなった雨のせいで服も濡れ始めたけど心臓が爆発しそうなほど
ドキドキして体が熱くなった
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作者名:リンさん | 作成日時:2022年10月30日 23時