恋？ ページ11
「恋？」
綾「Aは今までの人生の中で少女漫画とか恋愛小説とか読んだことある？」
「......ない、かも、うん、一回もないよ」
綾「え、ほんとに？ちょっと引くんだけど」
そう言って綾は今日二回目の私に対して引いたような顔をしてきた
「な！なによ！少女漫画とか恋愛小説とか読んでる人間が偉いって言いたいの？」
私はむきになって言い返すと綾に
綾「もう、そんな風に言ってないじゃない、ほら落ち着いてどうどう」
「私は馬じゃない」
綾「分かってるから、でも確かに見てない人はいるかもしれないけど珍しいじゃないこんな風なね」
「私がまるで何もわかってない女の子みたいに」
綾「まぁいいわ、これ以上は話が進まなくなる、話を戻すけど、多分そのAが東ブクロさんを
見た時の感情は多分ね、恋だと思うんだよな」
「恋ってこんなに苦しい物なの」
綾「恋は苦しい物よ、好きな人、Aにとっては東ブクロさんか...」
「さっきからなんか東ブクロさんて言うとなんでそんな何とも言えないような顔をするのよ」
綾「な、何でもないのよ！ただ有名人の初めて恋をするなんてなんかお嬢様だなーっとか今まで
恋をしたことが無かったなんて可愛いなーって思ったりしてただけよ」
「本当に？なんか言いたそうな顔をしてたから怪しいなって」
綾「いいじゃない、でも東ブクロさんはカッコいいからね」
「そうよね...これが恋って感情なのね、苦しいし痛いけど」
綾「痛いけど、なに？」
「痛いけど、なんか暖かくて幸せなの東ブクロさんの事を考えるだけで心がポカポカするの」
私は心臓のところを優しく両手で押さえて笑った
綾「恋をしたことが無い......か、にしても初めて恋をした相手も相手だな
せめて、いや、初めて恋をしたのが有名人ってだけでもうだめか」
綾がつぶやいた声はもう聞こえなかった
だってもう私は生まれて初めて男性に対して恋をしたという思いでいっぱいだった
その時になぜか昔読んだ本の事を思い出した
【私は確信したい。人間は恋と革命のために生まれてきたのだ】
確かに確信した
今私は恋をしたと認識した瞬間、革命が起きた
今まで私は感じた事のない感覚、感情が沸き上がってきたから
なんて考えていると私たち以外の人はもうスタッフの人による観客の誘導が終わって
ついにスタッフの人たちがここにきて
ス「それでは芸人の皆さんのスタンバイが出来ましたのでご案内いたします」
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作者名：リンさん | 作成日時：2022年10月30日 23時
