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21.僕たちは今-sho- ページ42

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たったひとり、愛する女に出逢えたら
そのたったひとりを、大切にすることが出来たら
それまでの過去、すべてが
帳消しになるような気がしていた。


純粋で、汚れを知らないそのまっすぐな瞳で
“先生”と呼ばれると
そんな自分が誇らしくて
胸がくすぐったかった。




紫「Aと出逢ってから
俺ってこんなに嫉妬深かったんやとか
こんなに人に優しく出来るんやとか
今まで知らんかった自分に、沢山出逢った。
やから 俺も、Aと出逢って
愛し合えたこと、少しも後悔してへん。」


貴「先生…………。」


このまま君をここに閉じ込めて
時の砂に埋もれて
2人で沈んでしまえたらいいのに。


そう思っているのは、きっと
俺だけではない気がした。




紫「もし、生まれ変わったら
今度は俺のこと選んでな。」


俺の言葉に、Aの瞳から
涙がこぼれ落ちた。


ゆっくりと、彼女の脚を開いて
その中心に腰を沈めると
彼女が甲高い悲鳴をあげた。




貴「や………っ!あっ、あ………っ」


ぐちゅぐちゅといやらしい音が室内に響く。


彼女のその歪んだ表情も
震えるような声も
その体温も、全部
この身体に刻みつけておきたかった。


永遠に、忘れないように。




紫「………愛してるよ、A。」




恋って何なんだろうって
人を好きになるって何なんだろうって
ずっと思ってた。


ただ、君の姿を見つけると嬉しくて
君が笑ってくれると嬉しくて
君の為なら何だって出来そうな
そんな力が湧いてくるような
そんな存在だった。


そんな君に出逢えたことは
きっともう、恋ではなくて
いつの間にか、愛だったんじゃないか。


そう思うんだよ、A。




貴「せん、せ………先生………っ」


涙で濡れた君の頬を、親指でそっと拭ってやると
彼女が更に子どもみたいな泣き声をあげるから
俺は途方に暮れて
君の身体をぎゅっと抱きしめた。









2人で迎えた絶頂の後に訪れた静けさの中で
俺たちは、ぴったりと寄り添い
きつく抱きしめ合って眠った。


いつか訪れる夜明けなんて来なければいいと
そっと、そう祈るように。




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Mt.Wind Bell(プロフ) - 泣いて泣いて泣きまくって目がパンッッッパンです痛いです、大感動しました、 (2018年9月15日 20時) (レス) id: 4eba5a31cc (このIDを非表示/違反報告)
永瀬もも 。(プロフ) - 完結おめでとうございます!そしてお疲れ様です! 私は主人公がどちらも選ばずに終わる感じすごく大好きです!他の方の作品などはどちらか選んで完結してるイメージですが私はこういうのがすごく好きです!笑笑 (2017年10月19日 9時) (レス) id: 488be09426 (このIDを非表示/違反報告)
LuLu(プロフ) - 完結おめでとうございます!サラさんの世界観、とても大好きです!これからも陰ながら応援させていただきますね! (2017年9月9日 6時) (レス) id: 9f222d3faa (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - きなこさん» ありがとうございます(>_<)恋涙はとりあえず完結致しますが、他の作品でもお会い出来たら嬉しいです。 (2017年9月9日 1時) (レス) id: 54583e2642 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - サラさんの作品の虜になってしまいました...///更新楽しみに待ってます!!! (2017年8月19日 10時) (レス) id: 2d2c384731 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サラ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2017年2月23日 15時

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