恋涙-こいなみだ-【平野紫耀】

17.危険な遊び ページ17

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紫「ほんまやって。
俺のこと、見損なわんといて。」


なんだか、信じられへんかった。


だって、他の子の告白を
ことごとく断ってきた先生が
私には、ほんまのことを話してくれるなんて。




紫「生徒に手ぇ出すわけにはいかへんし
せっかく勇気を出して告白してきてくれた子に
何回も“ごめん”って言うの、心苦しかってん。
“彼女いる”って言うのが
1番、誰も傷つけないと思った。」


そうやったんや………。




紫「中には、彼女や奥さんがおんのに
平気で他の女に手を出す男もいるけどな。
浮気なんて、本妻だけやと満たされない
可哀想な男がすることやで。」


貴「先生は、違うの………？」


紫「俺は、ほんまに好きな子にしか
手ぇ出さへんもん。
正直、後が面倒臭いし。」


うわぁ、最低。


………でも、この人は素敵だと思った。




貴「………じゃあ、私は？」


恐る恐る問いかけると
先生が、バツが悪そうに目を逸らした。




紫「………正直、教え子好きになるなんて
ヤバいと思ってんけど。
昨日も、何回も理性飛びそうになった。」


先生の言葉に、全身に鳥肌が立つ。




紫「俺、あそこまでして
最後まで手ぇ出さへんなんて
初めてやもん。
でも、やっぱりそれは、おまえのこと
大切にしたいっていう気持ちが
ちゃんと勝ってくれたからやと思う。」


………この人は、ほんまにズルい。


そんなこと言われて、堕ちない女なんて
いるわけないやん。




貴「ねぇ、先生…………。」


そう言って、先生の胸に手を当てる。


上目遣いで先生の顔を見上げると
先生の綺麗な瞳とぶつかった。




貴「もっと、先のこと
教えてほしい………。」






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今は誰も使っていない、空き教室。


だけど、ここは
資料室の中の書庫と違って
鍵もついていなければ
たまに廊下に人が通る。




紫「なぁ、ここでえっちなことすんの
どきどきせぇへん？」


嘘やん、この人正気………？
先生、絶対この状況楽しんでるやろ。


だって、今も廊下からは
楽しそうに会話をする生徒たちの笑い声が
聞こえてくるのに。




先生は、ドアの硝子窓から
完全に死角になる場所に私を誘導すると
後ろから、私を抱きしめた。


後ろから抱きしめられるのって
すごくあったかくて安心する。


まるで、先生の体温に
包まれてるみたい………。




紫「なぁ、A。
俺、今日は止められへんかも………。」






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